内容説明
なぜ、これほど面白いのか?村上春樹の最新ベストセラー長編をさまざまな角度で読む。物語を追うスリル、知る快感、共感する喜び、考えることの楽しさ…読まずに済ませるなんて、もったいない。
目次
第1部 純愛小説『1Q84』に関する40の視角(総論;世界と構造;主題としての「深淵」 ほか)
第2部 “ハルキワールド”がもっと面白くなるヒントとカギ(青豆とヤナーチェックの関係;ふかえりは神降ろしの巫女…!?;青豆のセックスライフから見えてくるもの ほか)
第3部 『1Q84』を深く読むためのキーワード(ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』;ピルゼン・ビール;リアルでクールな機関銃 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
30
Book1~3まで続けて読んだが、Book2までで得られた満足感や高揚感がBook3では急速に失われ、どう収束するのか不安になり、最後には不快感のような納得できなさが残ったので、解説本を読もうと手に取った。しかし、こちらはBook1&2のみが刊行されている時に書かれたものなので、私の知りたかったことには触れられていないままだ。内容的にもあまり特筆すべきものはないように思う。青豆に暗殺をさせる老女やそれに加担する青豆にもカルトの匂いがする、と翻訳家の鴻巣氏が喝破していたそうだが、私も同じ意見を持っている。2013/09/07
mya*
20
村上春樹はヘンタイだ、って見解には思わずうなづいてしまいました(スミマセン)。猫の町の件で萩原朔太郎の名前が出ていたのは、やはりな!とも。言及されている内容は参考程度に読ませていただきましたが、珍名紹介は、なかなか楽しかったかな笑 2013/07/05
maetoshi
16
『1Q84』の考察本である。3部構成3人でそれぞれ違った角度で分析している。正直、本書を読んでも自分の中の謎はすべて解決できていない。かと言って答が出てないので消化不良で苦しんでいるという訳でもない。むしろそれが心地よかったりする。そこら辺がこの威風堂々たる小説の凄さなのだろう。考察の中で面白かったのが平居氏が村上春樹はヘンタイであると言い切っている所。しかし、それは軽蔑や批判ではない。確かに『1Q84』の中の変態的セックス描写は異常な部分もあるが思いの外スマートに感じてしまうのだ。恐るべし村上春樹。2017/07/25
ふろんた
16
内容は思っていたより簡潔にまとまっていたかな。評論というよりは「1Q84」をテーマにした読書会に参加したかのよう。結局、どう読むかは人それぞれだと思う。2013/10/21
acidrain
5
book2までの考察や村上春樹という人物を分析したりと1q84だけでなく関連された作品や登場した物についての詳細が載っていたりする本。3部構成で三人の作家や編集者が意見しているが、最初の1部は村上春樹を「異界」を描き出す形で、個人的な宗教を作り上げる表現者と言い終始崇高な存在として崇めてる信者の様。3部の最後の青豆とゴムの木の関連性の考察は面白いしbook3を読んだ後では、なるほどと思える推理みたいなものでもしBOOK4がでるなら、この関連性がもしかしたら当たっているかもしれない。2012/08/23