内容説明
『攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』『イノセンス』といった作品から「ゴースト」「生きた時間性」「死」「人形」などのテーマを抽出し、SFをめぐる謎―あるエピソードとセリフの意味、入り組んだプロットの陰に潜む真実、作品の趣旨―に思考の網を張り巡らせる。裏設定の読解やテクノロジーの真偽問題に優先する物語的な謎の解明に注力し、そのおもしろさに身を任せながら、作品に描かれる「“わたし”の固有性のゆらぎ」「未来を奪われた存在」「生と死のありよう」などを丁寧に読み解く。それらの批評をとおして、「別の自己像へのしなやかな流転」というSFがもつ魅力の核を析出する。
目次
第1章 「ゴースト」の虚空と「余剰」の精神―『攻殻機動隊』(「電脳化」と自己への懐疑;「ゴースト」の裂け目―人間の精神に独自なもの;「ささやくゴースト」―内実なき「空虚」? ほか)
第2章 自我の「嘘」とキルドレの闇―『スカイ・クロラ』(空を舞う歓びとアイデンティティの不安;「自分の中の無が見える」―「子ども」であるということ;「暗い場所。赤い光」―「現在」を永遠に反復する存在 ほか)
第3章 人形の謎と人間の真実―『イノセンス』(「死体としての人形」―人間性への懐疑;「死」を予感させる鏡像―真実の魅力;分身の不気味さ―ドッペルゲンガーが明かすもの ほか)
終章 揺らめく自己、想像の漂流
著者等紹介
浅見克彦[アサミカツヒコ]
1957年生まれ。和光大学表現学部教員。専攻は社会理論、社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうき
Ryosuke Tanaka
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