出版社内容情報
こころに湧いて出る不気味なもの=エスをめぐり、「からだの精神療法」という大胆な視点から、精神医学・心理臨床や医療問題に新しい地平をひらく。健康とは何か? どうすれば体と心は癒されるのか? フロイトと並びヴァイゼッカーにつながる古典。
内容説明
フロイト・ユングと並ぶ「無意識」探索の第三の男、ヴァイツゼッカーと照応する「病と人」の探究者G.グロデックが大胆にも繰り広げる“生”の世界。命の源“エス”の誕生に立ち会い、心身論の軌跡を辿るなかで「ひとが生きること」の本質を問い直す。
目次
分析論(身体疾患に対する精神の関与と精神分析療法;身体の精神分析について)
治療論(病いの意味;精神療法の原則;夢の作業と身体症状の作業;心因というものがあるのだろうか;マッサージ)
生命論(エスについて)
著者等紹介
グロデック,ゲオルグ[グロデック,ゲオルグ][Groddeck,Georg Walter]
1866年、ドイツのバート・ケーゼンに生まれる。ベルリン大学医学部卒業。皮膚科教授シュヴェニンガーに師事し、温浴療法、マッサージ、食餌療法などの経験医療を学ぶ。1900年、バーデン=バーデンでサナトリウムを開業。癌や結核など慢性疾患の治療にあたり、ヨーロッパ各地から難病患者が訪れたという。シェークスピア、ゲーテ、ニーチェより思想的影響を受け、独自の医療論・生命論を展開、臨床のかたわら精力的に講演や執筆活動を行う。1917年にフロイトと出会い、精神分析学界と交流をもつ。彼の思想の中心概念である生命原理としての“エス”は、フロイトによって変更を加えられて精神分析学に導入された。1934年、心不全により死去。「心身医学の父」と呼ばれる
野間俊一[ノマシュンイチ]
1965年、香川県に生まれる。1990年、京都大学医学部卒業。1994‐1996年、ドイツ、ヴュルツブルグ大学精神療法・医学的心理学研究所にて研究に従事。現在、京都大学医学部精神科神経科助手。専門領域は、精神病理学、心身医学、リエゾン精神医学
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