出版社内容情報
シェリー・タークル[シェリータークル]
日暮雅通[ヒグレマサミチ]
内容説明
急激に広まったスマートフォンは、いつどこででも連絡を取り合える日常を作り出した。その反面、親子、友人、恋人同士の関係性にも大きな変化をもたらしつつある。家庭、学校、職場でいま起きている問題を豊富なインタビューをもとに分析し、便利さと引き換えに失ったもの、またそれを取り戻す方法をTEDでも話題のシェリー・タークルが提言する。
目次
1 会話の効用
2 ひとつ目の椅子
3 二つ目の椅子
4 三つ目の椅子
5 この先の進路
6 四つ目の椅子?
著者等紹介
タークル,シェリー[タークル,シェリー] [Turkle,Sherry]
1948年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学卒。臨床心理学者で、マサチューセッツ工科大学(MIT)科学技術社会論の教授
日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
1954年千葉市生まれ。英米文芸、ノンフィクション翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
140
スマートフォンが一般的に普及した今日日、我々に起こっている変化を、自己、友人、恋愛、教育、会社、医療、に分け、スローの3つの椅子に例えて分類し解説した書籍。数百人に及ぶインタビューもそうだが著者はMITで電子技術と人間の関係を四十年に渡り研究している。当初は肯定的な著書を出しているにも関わらず、今になって警鐘を鳴らすものは余程である。「ショックを受けた友人を慰めようと抱きしめたら、当のその子は腕の中でスマホを発信しFBで同情を得ようとしていた」て湊かなえ著作かよ!と突っ込みたくなる内容である。(続2017/05/07
踊る猫
26
今やすっかりリモートでZOOMな時代。だが、この本を読むと地味に苦痛でもある「生/ライブ」あるいは「フェイス・トゥ・フェイス」の会話がいかに生産的かが見えてくる。私たちが生身の自分を晒して、恥をかいてでも対話を重ねるのは共感を得られる契機があるから、想像力を育むことができるからだと本書では説かれる(皮肉なことに、同じ能力は「孤独な時」にも培われる)。だが、著者はいたずらにプリミティブ/粗野な「スマホ断ち」を強いるのではなく現実的な処方箋を描こうとしている。ゆえに侮れない本である。著者の真摯さを好ましく思う2022/05/07
Ecriture
16
「シェアする、ゆえに我あり」とばかりにスマホに夢中になる現代人。孤独になって成長する技術、会話、共感能力は失われる。スマホを机の上に出すだけで会話の内容は変化し、深い話はできなくなる。スマホやSNSの否定ではなく会話重視論。デジタル世代擁護論があって、「必要なときにネットで検索できる今の学生たちは何も勉強して覚えておく必要がない。昔の学生と比べて劣ることもない」というものだが、シェリー・タークルはこれを否定する。体系だった知識なくしては情報を吟味することも信憑性の確認もできない。2017/04/03
ケニオミ
16
スマホがこれ程までアメリカ人の行動様式を変えてしまうとは思いませんでした。まず、非常時のためという免罪符の下、片時もスマホから離れられない程の中毒です。自分の子供が注意を向けて欲しいと思っていようが、恋人とのひと時を過ごしていようが関係なしです。次に、何度も気の済むまで修正することができるメールを多用し、直接人と話す機会を避けることです。アメリカ人がこれですから、内向性が強い日本人は、より一層の影響を受けることでしょう。中毒性の強いものは、法律で規制する必要があるのでは・・・なんて思ってしまうのは僕だけ?2017/03/22
koheinet608
11
スマホの一番の問題は「簡単に慰められる」ことだと思います。自分を慰めてくれる、「情報」達は、果たして、自分の生活に必須か。私の場合は以前から以下のようなことを実行してます ①ニュース・雑誌アプリの削除 数か月以上経ちますが、何も困りません。 ②YOUTUBE、視聴系サイトのアプリを消す 個人的には、視聴系サイトほど、依存症を引き起こし、無駄なものはないと思います。一体今までに、何時間、、、、動画を見て時間を使ったか。 情報と砂糖は、どこか似ていて、摂らない方がカラダにとって、良いかもしれません。 2018/03/07