内容説明
圧倒的大多数の現地語といくつかのヨーロッパ諸語の織りなす重層的な多言語使用の実態。危機言語、母語主義といった西側世界による介入。それらがつくり出す複雑な言語状況を概観し、サハラ以南アフリカ14カ国の、ことばと社会をめぐる諸問題を具体的に論じる。アフリカ社会を理解するうえで、なぜ言語問題が重要なのかを明らかにし、アフリカ地域研究への新たな視点を提示。
目次
アフリカにおける言語と社会
アフリカの言語問題―植民地支配からひきついだもの
言語の命を支える民族のアイデンティティ―言語大国・ナイジェリアのケース
英語主義か多言語主義か―ガーナの言語問題
拡大するウォロフ語と重層的多言語状況の海に浮かぶフランス語―セネガル
ストリートで生成するスラング―コート・ジボワール、アビジャンの都市言語
アフリカ諸語の有無が生む差異―カボ・ベルデとギニア・ビサウの場合
多言語使用と教育用言語を巡って―コンゴ民主共和国の言語問題
文字は誰のものか―エチオピアにおける諸言語の文字化をめぐって
数百万人の「マイノリティ」―ウォライタ(エチオピア)の場合
言語的多様性とアイデンティティ、エスニシティ、そしてナショナリティ―ケニアの言語動態
多民族・多言語社会の諸相―ウガンダにおける言語政策と言語使用の実態
著者等紹介
莞樹[カジシゲキ]
現職:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。専門分野:言語学、アフリカ地域研究
砂野幸稔[スナノユキトシ]
現職:熊本県立大学教員。専門分野:アフリカ地域研究、多言語社会論、フランス語圏文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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