内容説明
社会学、考古学、歴史学や建築等の立場から現代における文化遺産の在り方を検証。その多様な活用事例とともに、現代社会と文化遺産の課題を鋭く切り取る。
目次
第1部 現代社会における文化遺産への視点(「現在」を保存する社会―事物の社会学に向けての序論;平和資料館の形成と社会運動―歴史的事実の保存にむけて;歴史遺産の活用と復元―横浜を事例として;浜松市伊場遺跡と地域史研究;遺跡化の論理―歴史のリアリティをめぐって;文化遺産の活用に向けて)
第2部 文化遺産保存と活用のケーススタディ(群馬県高崎市保渡田古墳群―遺産を資産化する仕掛け;栃木県足利市中世足利氏関連史籍;福井県若狭町熊川宿―歴史を生きる町;福井県若狭町鳥浜貝塚と上中古墳群;奈良県明日香村―遺跡と景観、そして地域住民;奈良県橿原市今井町―住民の生活と伝統的建造物の共生)
第3部 文化遺産と現代(座談会 現代社会の中の文化遺産―その保存と活用)
著者等紹介
土生田純之[ハブタヨシユキ]
1951年大阪府生。関西大学大学院文学研究科博士前期課程修了。博士(文学)。宮内庁書陵部陵墓課陵墓調査室主任研究官を経て、専修大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マロソ
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文化遺産の保護と活用を担う考古学・歴史学専門の行政文化財担当者。本著では限られた面々での活動の回顧と限界・課題点を踏まえ市民や地域を巻き込んだ運動、更には文化遺産が地域でどのような価値をもって存立し得るかを検討している。地域の文化財担当者が主体となっているものの、編者が新しい見地を得たという社会学者の方が何人か書いていてそちらが個人的に興味深い。一地域のどの時点の遺跡・建物を尊重するのか、復元はどの段階を重視するのかはその時々の情勢に影響されていることなど、他の学問の示唆はやはり知っておかないといけない。2013/07/17
み
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レポートのため。1章と2章だけ。2010/07/13
tnk
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社会学と建築史の研究者も入ったためか、理論面にせよ事例にせよ視野が幅広く、復元や景観保全などで埋文行政に批判的な指摘もあり面白い。2023/01/03