内容説明
1925年、パリ。シュルレアリストたちの熱狂的なクレー賛美は、バウハウスの理知的な「フォルムの達人」としてのクレー像を隅に追いやり、その後のクレー批評に、神秘的で幻想的な言辞をちりばめさせることとなる…。「クレー=シュルレアリスト」像の起源と伝播の実態を緻密に描き出し、美術批評という言説が、いかに政治的、党派的装置となりうるかを浮き彫りにする、スリリングなクレー受容史研究の記念碑的大著。
目次
序章 シュルレアリストとしてのパウル・クレー
第1章 パウル・クレーとダダ
第2章 パウル・クレーとシュルレアリスム前史
第3章 パウル・クレーとパリ
第4章 「パウル・クレー=シュルレアリスト」像の完成
第5章 シュルレアリスムの彼方へ
補遺
著者等紹介
宮下誠[ミヤシタマコト]
1961年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科芸術学専攻博士課程単位取得退学、スイス国立バーゼル大学大学院博士課程修了(哲学歴史学美術史学博士 Dr.Phil.)。現在、國學院大学文学部教授(専攻、西洋美術史、芸術学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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