... イロニーの展開に沿って分析しさえすれば、彼の思想展開も明らかになるとしているのだが、そのイロニーとは、「頽廃と緊張の中間に、無限に自己決定を留保する心的態度」、即ち「『無限否定』の立場」を意味する。だが、桶谷の方は、「イロニイを、ドイツ ...
... イロニー( Ironie )」、「遊戯( Spiel )」でもって抵抗する。「固定化( Fixiertheit )に対して、イロニーと遊戯は、すべての単なる客観的なものを浮動( Schwebe )の内に保つ」( 284 )。「イロニー」は、本来は浮動の状態にある知に迷信的に固執する態度を ...
... 文学という実在論以外に真の実在論は存在しない」( Idn 96 , KA II , S.265 )という唐突な一文は,その背後にそれまでの文学 ... イロニー」を文学の不可欠の構成原理にまで引き上げ,これを「自己創造と自己破壊の絶え間ない交替」( AF 51 , KA II , S.172 ) ...
... イロニー」( Ironie )、すなわち皮肉を読みとるのは、ゲーテ晩年の作品におけるイロニーを研究したドイツ文学者バールだ。三十五歳も年下の、しかも人妻に対する老ゲーテの愛は詩という空想の世界でしか成就しないことを、この作品が「いちょうの葉」に ...
... 文学」や「敍説」などに、たいへん精力的に三島由紀夫論を発表してきた。一見当たり前とも思える作品解釈や通念的な三島像に ... 文学の基調としてのイロニーに関する考察である。言うまでもなく、三島の作品にイロニーの表出を見る視点自 いうのは外界の ...
『魔の山』をファジィ理論で読み解くとどうなる?文学をシナジーという新たな射程に捉え直した意欲作。
... イロニーの本来の故郷である。イロニーは論理的な美である,と定義してもよいであろう。」いうまでもなくプラトン・ソクラテスの伝統をふまえたものである。しかし哲学と文学の綜合(たとえば「 AF 451 」あるいは『文学についての会話・芸術の諸時期』参照) ...
... イロニーで、「芸術家、或いは人間の自由の表明」である。それは、著者と読者、及び著者と作品との文学的関係において成立する。悲劇的イロニーとは、ドラマにおいて、観客が主人公にとって未知の運命を知っていることから生ずるイロニーであり、運命の ...