「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の ...

出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、定家や芭蕉への影響......西行研究の泰斗が、偉才の知られざる素顔に迫る。

「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ」西行は歌で予言した通り、建久元年(一一九〇)二月十六日、花の咲き誇る満月の日に入寂した―その日から、西行は伝 ...

... 旅と修行 1 旅の観点から西行を考えたものに富士正晴「西行・出家が旅』淡交社昭和四十八年がある。 2 「後葉和歌集」国歌大観私撰集二九四頁。 3 目崎二二四頁。 4 窪田一八五頁以下。 5 「たけくまのまつはこのたびあともなしちとせをへやわれはきつ ...

西行はただの過去の歌人であろうか。二三歳の若き日に,出家して歌と旅の生涯におのれを委ねた。そういう西行の人生が今 ...

... 西行は今鈴鹿山中けがあるとすれば上三句までで、結局は走り出た出家の後に何が訪れ、我が身はどこへ行くのか、という畏怖の思い西行出家の旅の第一作と認められる歌である。颯爽とした清新の歌という評があるがどういう事であろうか。颯爽の見か鈴鹿山 ...

... 西行出家が旅富士正晴(作家)西行の旅は目的のない旅ではなかった。乱世を徘徊した出家者西行の背後にひそむ、わけのわからぬ間隙を瓢逸な筆が綴る。○松浦武四郎蝦夷への照射更科源蔵(作家)知られざる蝦夷地の暗黒世界にまで探検の足跡を記し、維新後の ...

... 西行は生涯旅をすることが多く、この他にも四国中国へと長途の旅に出かけた。西行の壮年期は高野山に生活の場をおいた期間で ... 出家遁世したのか宇治左大臣頼長は「............自三俗時」、入三心於仏道」、家富年若、心無愁、遂以遁世............」(台記) ...