北陸敦賀の旅の夜、道連れの高野の旅僧が語りだしたのは、飛騨深山中で僧が経験した怪異陰惨な物語だった。自由奔放な幻想の中に唯美ロマンの極致をみごとに描きだした鏡花 ...

泉鏡花 -- 尾崎紅葉のもとで小説修業をし、『夜行巡査』『外科室』の2作が評価を得て、本格的な作家生活に入った。幽玄華麗な独特の文体と巧緻を尽くした作風は、川端康成、 ...

... 高野聖は此のことについて、敢て別に註して教を与へはしなかったが、翌朝快を分って、雪中山越ゆなごりをみおくき(したいたかさかみちのはひじりすがたあたかにかゝるのを、名残惜しく見送ると、ちら/ \と雪の降るなかを次第に高く坂道を上る聖の姿、恰も ...

... こうやひじり高野聖一と飛騨かひだら信州へ越えこる深山のみやま間道で、ちうど立休らおうという一本の樹立こだちも無い、右も左も山ばかりじ、手を伸のばい、旅の法衣のころも袖をかそでかげて、表紙を附けつた折本になてるのを引張ひぱり出した ...

高野 聖. 【著者】高野聖(こうやひじり)ー 956 年生まれ、別歳。会社勤めをしている普通の会社員。一般社団法人・日本インフルエンサー協会会員。 20 ー 2 年 7 月より本格的にフエイスブックを開始したものの、「いいね!」はよくて船程度。その後 ...

飛騨山中の苦行の中で出会ったものは神か魔性か...。若き日の神秘的体験を旅の高僧が語る怪奇幻想の物語。美の求道者・泉鏡花が艶麗な筆さばきで紡ぎ出すファンタスティック ...