出版社内容情報
感情や思考といった心の働きを脳のメカニズムから解明しようという研究の究極の問題が意識である.二元論や量子論など論争が沸騰.本書は,研究の最前線の様子を伝え,意識の本質について明快な考察を与える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
14
脳の世紀と呼ばれる(?)21世紀。その前段階として(?)、20世紀の脳及び心(精神)の研究の進展を簡単に紹介した本。当然、現在ではもっともっと研究が進んでいる事でしょう。。。2015/07/07
北六
1
感覚器官が並列的かつ自動的に脳に届ける情報を時間的にバインディングして,高次で逐次的に物事や事象を認識するのが意識の働き.情報の統合パターンと概念を紐づけることで,おそらく記憶資源の利用効率が高くなる.意識は覚醒,アウェアネス,自己意識の3レベル.自己の心的モデルをリカーシブに考える自己認識能力は,大脳新皮質が発達し社会的生活が重要な動物が他者の思考をシミュレーションする能力. 不確定性原理のように意識を意識するとそれ自体が変質してしまうという感覚が面白い.2020/01/02