出版社内容情報
現代世界では,異文化間の相互理解と協調が求められている.また「人間」という基本的概念もゆらぎはじめ,「文化」をどのようにとらえるかという問題は,政治経済や科学技術の発展にとっても緊急の課題である.文化人類学はそのための基礎科学として重要な役割をになっており,この現代社会の要請と学際的課題に応えるべく,本講座は企画された.
目次
第1部 差異という現象(人種あるいは差異としての身体;民族境界としての言語;民族問題と文化―スリランカの経験と言説をめぐって)
第2部 語られる民族(民族の語り方―サラワク・マレー人とは誰か;少数民族の政治とディスコース;黄金郷伝説と民族表象―植民地時代のアマゾンから)
第3部 民族の形成と相克(オイロトの民を求めて―アルタイのブルハニズム序説;民族を超えるもの―イスラームの宗教共同体と民族)