内容説明
明治34年5月、弦斎は『報知新聞』第一面の社告で「百道楽」シリーズという壮大な構想を予告、『釣道楽』を皮切りに『酒道楽』『女道楽』『食道楽』と発表していった。本書は、二人の大酒飲みのエリート教師を主人公に抱腹絶倒の滑稽小説の形をとって禁酒を説いた、啓蒙家弦斎の面目躍如の作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆい
5
お酒を飲みながらこの本を読むのは最高に崇高で、めちゃくちゃ楽しいです。お酒の楽しさとやばさを知ってる方にはぜひ読んで欲しい。都都逸のようなテンポの良さでお酒が大好きな人界隈の話が延々と続きます。今日は飲まない!飲まないから!といっても勧められると断れない酒好きの悲しさよ…。野蛮、確かに笑 これが百年前の話とは!人類に及ぼすアルコールの影響は偉大。2017/05/01
晶
4
こんなおもしろい本を今まで知らなかったなんて!初めはお酒好きあるあるだと思って大笑いしながら読んでいたのが、段々に笑えない状況に陥り、最後は突然うまくまとまりめでたしめでたし。流れるような文章と章ごとの最後の一文、そしてお種さんの大酒飲み旦那とその友達に対するツッコミがとてもおもしろいわネー。2023/07/02
のりべぇ
1
明治三十五(1902)年に連載された、当時ベストセラー作家の村井弦斎の道楽シリーズ。題名とは異なり、酒が如何に悪いモノであるかを滑稽に描く啓蒙小説…なんせ「昏酔狂乱顛倒淋漓して野蛮的の状態を演ぜざる」モノだそうだ…酒呑の有り様なんぞ、百年経っても変わらないのがよく判る… 今どきの小説と異なり、段落の切替などないが、リズムが良く意外と読みやすかった。 時代だろう、西洋偏重主義が強く、やや笑ってしいます。 色々楽しめまた作品でした。 今どきの小説も百年後に読まれると、考えると一寸楽し。2015/04/11