出版社内容情報
どこまでも続く大草原,広い空にひびく羊たちの鳴き声.アルゼンチンのパンパに育った作家ハドソンが,自然とともに生き,その不思議な美に魅せられた幼年時代の思い出を美しく綴った自伝文学の傑作.博物学と文学の美しい交錯とうたわれるこの作品は,現代人の心にも自然への深い愛着を呼びさます.
内容説明
どこまでも続く大草原、広い空にひびく羊たちの鳴き声。アルゼンチンのパンパに育った作家ハドソンが、自然とともに生き、その不思議な美に魅せられた幼年時代の思い出を美しくつづった自伝文学の傑作。
目次
最初の思い出
新しい家
老犬の死
植込み
平原の風光
野鳥奇話
初めて見たブエノス・アイレス
暴君の失脚、それからのできごと
ポプラ屋敷の人たち
一番近い英国出の隣人〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
1
ウィリチャム・ヘンリ・ハドソン(1841-1922年)の77歳の時(1918年)に出版された本。自然を愛する著者の少年時代のエピソードが感情豊かに描かれている。当時の人々の残忍な話には驚くが、例えば1860年頃の日本といえば、安政の大獄や桜田門外の変の時期と考えると、少しも不思議ではない気がした。2020/11/08
かしこ
1
おさない頃、アルゼンチンで暮らした子供時代。思い出はキラキラ切なく輝いているのですが、やっぱりそこは19世紀の南米、普通に血生臭いです。鳥や博物学への愛、幼馴染の美しい少女への憧れ、でも殺しの話も身近だし。少年のはかなさ繊細さと、残酷さへの憧れが、少し古風な訳で美しく描写されています。2015/08/20