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岩波文庫
カラクテール 〈上〉 - 当世風俗誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003251614
  • NDC分類 954
  • Cコード C0198

出版社内容情報

モラリスト,ラ・ブリュイエール(1645‐1696)の眼は17世紀フランスの風俗の諸相――女性の心情,文学作品,宗教界,思想の流行,社会の陋習――に向けられる.特殊個別の事例から人間の永遠普遍の像が犀利な筆によって,さまざまに描き分けられる.モデル論議で当時の社交界を大きく沸かせた.モンテーニュの「エセー」とならぶ真摯な人間性探究の書.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
表紙見返しによると、直截、鋭利な 人間性探究の書。 旧字体。 本を書くことは、一つの職業(メチエ)である(36頁)。 まとまって書いてあるために、 興味あるところだけを抽出して、 味読していける構成なのがよい。 教養のある人、生れつき誇りの高い人は、 自ら貧乏だと思つても、その誇りと気魄 とを失ふことはない(191頁)。 田舎者と馬鹿者は常に怒りつぽく、 ぢき皆がおれを馬鹿にしてゐるとか軽蔑 しているとか思ひこむ(196頁)。 2014/04/24

roughfractus02

9
箴言はユダヤの智慧文学に始まり、各テーマで分類する「〜について」の形式はアリストテレスの分類学を継ぎ、気象や植物を分類した弟子テオプラストスの『人さまざま』に始まるという。人間主体を意志や理性に据えたデカルトの17世紀フランスにモラリストたちは人間主体を感情から捉えた。テオプラストスの翻訳者である著者は、本書でアリストテレスの分類学を人間感情に採用し、その関係を描く文学作品の価値、女性、社交、運などで構成された移ろう世界をテオプラストスのギリシャ語原題「カラクテール」を引き継いで現代版にアップデートする。2022/05/26

無能なガラス屋

4
「視野の狭い人々、つまり己の小さな天地に跼蹐して居る狭隘な精神は、往々にして同一人の中に認められる・あの往くとして可ならざるなき・才能を理解することが出来ない。或人の裡に愉快な所を見ると、此人には堅實な所がないのだと思ふ。肉體の優雅さ、身輕とか柔軟とか器用とかを見るやうに思ふと、霊魂の長所、例へば深味だとか熟慮だとか智慧だとかを認めようとしない。彼等は、ソクラテス傳の中から、彼が踊つたといふことを削除する。」-p952020/06/09

Fumoh

2
17世紀のフランスのモラリスト、ラ・ブリュイエールが著した当世風俗誌――テオプラストスの『人さまざま』のフランス版だという評もありますが、実際中身はかなり違います。ラ・ブリュイエールは性格を分類するようなことはしておりません。ただシチュエーションやシーンごとに当時のフランス民衆に対して警句を述べているのです。こういうのは拾い読みもできるから、パッと開いて「ウンウン」と頷くこともできますね。上巻は「文学」「真価(高位の道徳)」「女」「心情」「社交」「運」「町方」と章が分かれております。2024/04/01

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