岩波文庫<br> カストロの尼 - 他二篇

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岩波文庫
カストロの尼 - 他二篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003252673
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

舞台は十六世紀イタリア.山賊の青年隊長と美貌の尼僧の恋という題材のなかに,スタンダールは時代をこえた恋愛心理の典型を見事に描き出した.随所に織りこまれた鋭利な心理描写は,この作をスタンダールの中篇小説中の第一の傑作とするに十分であろう.他に短篇『ほれぐすり』『箱と亡霊』を収める.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kthyk

14
恋愛には4種の型があり7つの過程があると言うが、スタンダールのメインの恋はいつも情熱的であり、「ザルツブルグの小枝」の結晶。しかし、彼の時代のオペラに似て、大半は悲劇として描かれる。「カストロの尼」はオペラ好きには馴染みやすい。時代は「ドン・ジョヴァンニ」の100年後、「ドン・カルロ」とは同じ、ルネサンス終焉期の16世紀後半。舞台はイタリア、スペイン、フランドル。19世紀初頭、ナポレオンのイタリア遠征に参加し、そのまま、イタリアに残り、そこで見つけた訳本がどうやらこの「カストロの尼」の原本のようだ。2021/01/26

umeko

3
身分違いの恋物語。恋物語より、エーレナの母が凄かった。「箱と亡霊」が良かった。2010/08/09

ville

2
バルザックとかは箱の中の小世界が現実に似すぎていてリアリズムなんだけど、スタンダールは箱の中を覗いたり弄ったりする作者の想いが文にあって、それがリアリズムだな、と思った。2010/05/22

あにこ

1
なんと読みづらい文章か、とはじめ思った。が、段々この言い回しが癖になってくる。古風な調子が一周まわってお間抜けに思える場面も少なくないが、それが物語に一層の哀切を添える。大マジメに恋愛して、大マジメに命を賭けたのである。スタンダールならずとも、心打たれよう。/ スタンダールは、登場人物たちのほとばしる血気をそのままに、半ナマの状態で物語の枠に急いではめ込んだ。作品そのものが、いつどこに跳びはね暴れ回るか分からない危うさを孕んでいる。そんな印象である。2019/02/18

悸村成一

1
3編収録。情熱をめぐる奇談の一種か。 992015/05/30

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