出版社内容情報
『あかい花』は精神病院の絢爛たる花園を背景にして,悪との闘いに身を滅ぼす一青年を描く.ほかに戦争を否定した『四日間』及び『信号』『アッタレーア・プリンケプス』『夢がたり』を加えた.暗澹たる前世紀末に生きて,一点の良心の灯を守り通し,ついに現実と良心の相剋に力尽きて狂するに至ったガルシン(一八五五―八八)の名作.
内容説明
極度に研ぎ澄まされた鋭敏な感受性と正義感の持主であったロシアの作家ガルシンには、汚濁に満ちた浮き世の生はとうてい堪え得るものではなかった。紅いケシの花を社会悪の権化と思いつめ、苦闘の果てに滅び去る一青年を描いた『紅い花』。他に、『四日間』『信号』『夢がたり』『アッタレーア・プリンケプス』を収録。