出版社内容情報
「新生」はダンテ(1265‐1321)の若き時代の詩31篇を骨子とし,その由来を述べた散文を加えたもので,イタリア文学において文学史的見地から重要であるだけでなく,その純化した愛の観念,表現上の多くの独自性,全篇を通じての若々しいいぶき,詩の由来における清新な響きなどが作品そのものに独立した価値を与えている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無能なガラス屋
5
行きぬベアトリーチェは高き御空に、諸の天使のやすらふ御國に。かくてかれらと共にありて汝等女達を残しぬ。彼女を世より奪へるものは、他人をうばふ冷熱の狀にはあらで、ただそのすぐるゝ徳なりき。即ち彼女の柔和の光、永遠の主をかゝる福を召さんとのいみじき願ひを起し給ひて、彼女を下界より御許に到らしめたるなりき。なやましき世にあることのかゝる貴人に相適しからぬを主見給ひたればなり。-p992020/09/23
GP-02
0
ダンテの幼少時代から青年時代までの話。ダンテ9才の時に出会った同い年のベアトリーチェへの初恋から失恋と、青年時代の若くしての彼女との死別。悲しみながらもそこから立ち直っていくダンテ。神曲の前の話だと思われる。2010/11/22
kokekko
0
ダンテ「心は空に」という詩が掲載されているかと思って古本をさぐったが、見当たらない。探し方が悪かったのか、それともこの本には掲載されていないのか……。図書館で新しく翻訳された『新生』も借りてみる。2020/07/25