岩波文庫<br> 緑の瞳/月影

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岩波文庫
緑の瞳/月影

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  • サイズ 文庫判/ページ数 305p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003272619
  • NDC分類 963
  • Cコード C0195

出版社内容情報

南スペインに生まれ,若くして逝った詩人ベッケル(一八三六‐七〇)の短篇小説集.彼は苦しい生活の中で懐古の想いに思念を奔騰させた.そしてスペインの伝説によりながら,楽譜に写せない音楽,色をもって表わせない絵,言葉で歌えない詩,現実ではただその存在を示唆することしかできない美と真実を求めて書き綴ったのである.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

39
幻想世界と現実が肉薄している世界観での精霊との交歓。『白鹿』のようなリリカルな幻想世界から容赦ない現実に引き戻される悲しさ、『地霊』、『怨霊の山』で戦慄。2014/10/17

棕櫚木庵

22
美しいもの(多くの場合,この世のものでないもの)に憧れ,その想いの激しさから,わが身を亡ぼす.あるいは,失われた輝きへの追憶.「緑の瞳」,「月影」,「白鹿」,「枯葉」などが特に印象深かった.一方,「しゃれこうべのキリスト」は,その題名から想像されるのとは違い,爆発寸前まで圧縮された激しい情念が広い世界へと解放される物語.▼この岩波文庫と,神代修編の創土社版(1976),山田眞史訳の彩流社版(2002)の3冊の間を行ったり来たり,・・・ゆったりと楽しんでいましたが,そろそろ切り上げよう(^^).2020/10/05

KAZOO

16
スペインにこのような作家がいたのですね。といってもあまりスペインの作家を知っているわけではないのですが。詩人だというので、ガルシア・ロルカのようなイメージをすぐに持ってしまうのですが、ドイツのロマン派の詩人のような感じがしました。イメージ的には、日本の宮沢賢治の作品を思い起こしました。2014/05/09

あ げ こ

10
未だ幾つもの謎を守り、身の程を知らぬ略奪の一切をはねのけるほどの、荘厳さを誇る世界…その精華とも言うべきものたちの存在を象るため、言葉を尽くす…物語は言わば、彼等へ注ぐ愛の結晶。自らを魅了するものたちへの、あらゆる閉塞を脱し、自らを豊かなる恍惚へと誘うものたちへの、畏敬と崇拝、清澄で切実な愛の賜物。彼等生来の美を愛するが故に抱く恐れや躊躇いは、言葉を奉じる試みへのひたむきさへ。熱情は存分に思いを果たし、物語は志した優麗そのもの。魔性を帯びた言葉、読むものの心をも久遠へと連れ去るような、蠱惑に満ちた一冊。2015/08/12

壱萬弐仟縁

10
1836年初出。図書館の本に線をマジックで引く、器物損壊の輩がいるんだな。しかも読んだ日付が書いてある(54.9.7だって)。閉口した。私はそんな箇所はいいとは思わなかったけど。。それはさておき、内容。著者はあとがきによると、詩の啄木、物語の一葉や秋成らしい(273頁)。もう読む気が失せた。他に、器物損壊したことがある人は、このような嫌な思いを後の人には抱かせるということを知ってほしい。公共財としての図書館の本なのだから、他の本でもマーカーを引いてあったも調査報告書にはあり、コピーしてそれに引いてほしい。2014/02/05

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