出版社内容情報
「垂加翁神説」は,編者跡部良顕が,垂加神道の創始者山崎闇斎(1618‐1682)の著書や文集から神道に関するものを選び3巻にまとめたもの.宝永4年成立.「垂加神道初重伝」は垂加神道初期に属するもので,伝授の聞き書き.編者・筆者不明.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
6
旧字体1938年初出。89頁の信州高遠城ぐらいが読み取れたぐらいで、前半は漢文が主体で、伊勢神道などは書いてあったようだ。後半の方がまだカタカナ送り仮名でなんとか読める感じ。解題にあるように、「垂加神道の創始者山崎闇斎の著書や文集から、神道に関係のあるものを選んで、上中下三巻にまとめたもの」(135頁)ぐらいしか理解しにくいか。表紙裏のところも同様な説明。再版の際に、現代人にも読みやすくなる工夫は必要か。例えば、漢文の部分の書き下し文を付けるとか、カタカナの送り仮名を平仮名に改める等。一考をお願いしたい。2013/03/27
きさらぎ
5
「垂加翁神説」は山崎闇斎の文章から、闇斎の孫弟子跡部良顕が神道関係を集めたもの。「初重伝」は筆者不明の聞き書きで、写本で伝わったもの。「神説」は「大和小學」以外は返り点と送り仮名のみの漢文、「大和小學」は和文。解説も脚注も一切無い本なので、読みたい人はどうぞ、という感じ(笑)「大和小學」は闇斎初期の著作で、和学について、儒学の「小學」に当たる入門的なものを書こうとしたものだったと思うが、闇斎の口吻が伝わるし、漢詩も結構と面白く読んだ。成立期の垂加神道の「生」に触れたい人はトライしてみるといいかもしれない。2017/01/17