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岩波文庫
孔子

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  • サイズ 文庫判/ページ数 165p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003314456
  • NDC分類 124.12
  • Cコード C0123

出版社内容情報

ヨーロッパの古典フィロロギーの方法にもとづいて,孔子とその弟子達の言行録である『論語』を読みとき,その成立過程を明快に分析した小さな名著.全篇を一貫する広い視野,随所にあらわれる知性の天才的なひらめき,達意の美しい文章は,あたかも第一級の推理小説を読む如き高度の喜びと楽しみを与えてくれる. (解説 大室幹雄)

内容説明

ヨーロッパの古典フィロロギーの方法にもとづいて、孔子とその弟子達の言行録である『論語』を読みとき、その成立過程を明快に分析した小さな名著。全篇を一貫する広い視野、随所にあらわれる知性の天才的なひらめき、達意の美しい文章から、あたかも第一級の推理小説を読む如き高度の喜びと楽しみを与えてくれる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

97
孔子や『論語』に対する見方が変わる好著。読んだこともないのに、『論語』に対して当たり前の道徳が書かれた退屈な本という、自分が恥ずかしくなるような印象を持っていた。しかし、これを読むと『論語』は家族の道徳よりも、誠実さや、人の愛することを重んじた書物であることが分かる。孝を重視すする面もあるのだが、それは『論語』のごく一部に過ぎない。前半ではキリストや仏陀、ソクラテスと孔子の比較が書かれている。世界的な文明の視野の中で孔子を論じる姿勢が素晴らしい。いずれ『論語』を読む前に本書に立ち返りたい。2017/12/03

Kawai Hideki

48
7年ぶりに再読。うつ病が酷かった時は、こういった小難しい本はまったく読めなくなっていたのだが、少しずつ読めるようになってきたことが嬉しい。人間関係につまずいた者としては、以下の孔子の志が改めて心に沁みた。「老人を安心させ、朋友に信じられ、若者には懐かれる」 しばらく中国古典から離れていたが、改めて味わいながら先人の書を読んでみようと思った2021/05/03

Kawai Hideki

47
論語の成立過程を丹念に紐解き、孔子の弟子達が伝えようとしていたメッセージに迫る本。世界四大聖人(孔子、ソクラテス、釈迦、キリスト)の教えは、時代を超えて引き継がれ、文明を越えて普遍化されている。四大聖人の中で孔子は、奇跡を行わず、死後の世界を語らなかったのがユニーク。シンプルな語録としての「論語」にも実は構造があり、学而篇は孔子学徒のモットーとして、学問の楽しみ、友愛的協同体の喜び、学問の自己目的性を16章に分け段階的に詳細に述べているという。章と章の間に隠れた結びつきをあぶりだす推理の過程が面白い。2014/04/02

姉勤

16
15年以上寝かしてあった薄い本。しかし内容の厚みは軽い気持ちでは捉えきれないくらい濃かった。釈迦も、ソクラテスもキリストも生前は疎まれ、または当時の常識に反駁し、死後弟子によってその考えは徐々に広まり、時の権力者によって「教え」として確定した。孔子も為政者であったのは数年で、人生のほとんどは国々を流転とした。流浪の中でも乱れず人間の理想を追い求めた。解説の「シナは単に地域の名であって国の名でもなければ民族の名でもない」彼の生まれた魯も民族も滅んだが、孔子の意思はシナ文化圏には未だに残っている。2012/09/29

モリータ

14
次に読む論語訳注・孔子伝がこれよりもうなずけるところが多ければ、それは論語と孔子に繰り返し触れることで知識が滑らかに出てくるようになったからかもしれないが、そうでなければ和辻哲郎の論の運びが整っていることに気付くだろう。「近代評論の源は和辻哲郎の文章ではないか」というも評も聞いたことがあるが、ある偉大な評論家の文章に初めて触れたときに普通その文体に慣れるのに感じるはずのストレスがほとんどなかったとすれば、それは前提知識としてある程度知っている、明晰な文章の運びを読んだということだろう。2015/04/07

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