出版社内容情報
悪疫との戦いにおいて大きな功績のあったワクチンも,一方でその予防接種が多くのいたいけな命を奪い,後遺症という惨禍を生んでしまった.本書は突如愛児を襲った接種後脳炎という不幸から発し,苦しみを同じくする親たちと手を結びあい,ワクチン禍の本体に迫っていった闘いの記録であり,わが国予防行政に対する根源的批判の書である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mawaji
8
予防接種に限らず医療には一定の頻度で副作用や副反応は起こりうることではありますが、それを「やむをえないこと」として片付けるのではなく、可能な限り回避するためにあらゆる努力を継続することが重要で、そのためにも本書のような歴史的事実があったということを知っておくことはとても大切であると思いました。ワクチン反対論者ではなく真剣なワクチン論者であるディック博士の「ワクチン万能主義の危険を真剣に考える」姿勢はとても大事で、長年継続されている手技・治療法も盲目的に過信せず、時代とともに見直されるべきものなのでしょう。2021/08/06