出版社内容情報
世に天才といわれる人物は多い.ミケランジェロ,ゲーテ,ベートーベン…….人類の長い歴史の中で,社会の発展や文化の創造にさまざまの貢献をしてきた彼らの,とび離れた能力はどこから生まれるのだろうか.心理学・精神病理学を駆使してこの興味ある問題を分析し,画一性のみを要求する現代社会と教育に警告を発する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
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著者は天才を「社会的適応性を犠牲にして創造作用を行う人間」と定義づける。この著で紹介されているポーや、ベートーベン、バイロン、ニーチェ等の社会不適合のエピソードは、不謹慎だが楽しい。2018/08/14
kenitirokikuti
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刊行1967年。著者の宮城音弥は明治41年(1908年)生まれで、戦前のフランスに留学して心理学を学んだ。もう歴史だ▲「天才」とは単に有能なこと意味するのではなく、ある程度の特異な能力を持ち、何らかの創造的なことを成す人間を指す。天才は教育によって簡単に作り出しうるものではないため、不適応者を含めた広い範囲で天才を見出す必要があると説く▲「天才」ってことば、不思議なことにあんましストレートな褒め言葉じゃないよな。2017/08/21
あ
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狂気に陥りましょう2017/08/01
ぽん教授(非実在系)
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天才は狂人と紙一重であり、社会適応性があって効率よく物事をこなす能才とは違う。そのため女に天才はなく、天才は既存の学校教育に適応するはずがないという。ポリティカルコレクトネスも人間皆平等もそうではないと思いっきり断言しており、宮城先生が進歩派知識人の一角を担っていたというのに大丈夫だったのだろうかという気がしている。2015/07/26
かにこ
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天才と狂人は裏表だということ。女の人に天才がいないって言うのは、ほんとなのかな…。2012/09/08