出版社内容情報
論文やリポートは,なかなか書けないものである.もとより「いかに考えるべきか」を離れて「いかに書くか」は存在しえない.著者は当代一流の文章家.その文体の明晰暢達はひろく知られている.読者は,著者の多年の執筆経験に即しながら文章というものの秘密を教えられ,文章構成の基本的ルールを興味深く学ぶことができよう.
内容説明
論文やリポートは、なかなか書けないものである。もとより「いかに考えるべきか」を離れて「いかに書くか」は存在しえない。著者は当代一流の文章家。その文体の明晰暢達はひろく知られている。読者は、著者の多年にわたる執筆経験に即しながら、文章というものの秘密を教えられ、文章構成の基本的ルールを興味深く学ぶことができよう。
目次
1 短文から始めよう
2 誰かの真似をしよう
3 「が」を警戒しよう
4 日本語を外国語として取扱おう
5 「あるがままに」書くことはやめよう
6 裸一貫で攻めて行こう
7 経験と抽象との間を往復しよう
8 新しい時代に文章を生かそう
著者等紹介
清水幾太郎[シミズイクタロウ]
1907年‐1988年。1931年、東京大学文学部社会学科卒業。専攻、社会学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おせきはん
23
真理や事実を伝えようとする論文も「つくりもの」であることは、自分が文章を書く際はもちろん、読む側としても注意しようと思います。久しぶりに読み、便利な接続助詞である「が」の乱用に注意するようになったのは、この本がきっかけだったことも思い出しました。2020/06/08
kubottar
21
書物を読んだあと、その感想文・紹介文を書く癖をつけると、より一層その書物の内容が自分の身につく。2018/04/03
いの
16
初版は1959年。なのに新鮮で読み手を惹き付ける内容だ。堅苦しくない。ほろ苦い体験や成長に伴う悩みといったものを惜しむことなく1冊の中にまとめられている。文章づくりのルールや心構えが楽しく学べた。個人的には職場のレポート提出で助けてもらえそうだ。思わぬ所に恐怖もあった。小さな魔物「が」。読んでしまった以上簡単には使いたくないものだ。2017/07/17
masabi
10
【概要】人文系、社会科学系の論文を対象にした文章を書く一歩手前の心得。【感想】表題に反して論文の具体的な作法や書き方を書かれた本ではない。むしろ、学術論文や新聞のコラムに携わった筆者の経験から得られた知的散文に関するエッセイに近い。文章修行に始まり、話し言葉と書き言葉の違い、抽象的な翻訳語を抱えた日本の苦労、言語間の音声による情報伝達の差異、作文教育の必要性と内容は多岐に渡る。論文の書き方を求めるなら別の本を当たるしかないが、楽しめた。2022/06/29
masawo
10
著者自身の実体験を通して文章の書き方を解説しており、岩波新書青版にしてはかなりの読みやすさ。小手先のテクニックではなくアウトプット一歩手前の思考に焦点を当てており、書くことの難しさや奥深さについて考えさせられる。講談社現代新書『本はどう読むか』と合わせて読むと尚良し。2021/05/19