出版社内容情報
日本の子どもの学力は世界一といわれるが,ほんとうだろうか.一方で「病める学力」を告発する声も高い.通知表や学力テストの結果には一喜一憂しても,学力の中身については必ずしも明確でない.「学力」が社会的経済的価値をもつに至った歴史をたどり,現行五段階相対評価にかわる新しい評価法を提案して実践への展望を示す.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エネ
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内容としてはかなり古い。教育について学問というか、歴史的な背景が知りたい方にはおすすめです。当時の人が、これからの人間に期待することが書かれています。……そんな人間にはなれなかったなぁ……。2016/11/18
TaE
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学力や評価について、L.ケトレー、F.ゴルトン、勝田守一などの論をまとめながら、歴史的な動きを説明している。個人的には、芦田恵之助の言うところの「学力の剥落」についての言及をおもしろく感じた。このテーマについては、勝田守一を再読する必要があると思う。2010/07/26
丰
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Y-202003/03/24
オオタコウイチロウ
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これまでの、中内敏夫読者経験のなかでは難解のもののように感じた。「到達度評価」が、相対評価による狂乱を乗り越えようとして発案されてきたこと、評価基準とその策定プロセスに教師と児童がともに参与しうる制度設計、そしてその主要な方法が綴方を用いうるところに、氏が「到達度評価」を生活綴方の正統嫡子と呼ぼうとした所以があった。そのほかはもう一度読まないとなかなかスッキリしない。2023/09/07