出版社内容情報
明治の「掛図」から国定教科書時代,そして敗戦直後の「墨ぬり教科書」まで,豊富なエピソードをまじえて,日本近代の初等教科書の歴史を縦横に語る.検定意見の具体例の数々や,天皇教材の扱われ方,数え歌の変遷,国定修身教科書の伝記教材の虚実など実に興味深い.図版多数.巻末に「教科書関係統計表」を付載.
内容説明
「ジェンナーがわが子に最初の牛痘接種実験をした」、この有名なエピソードは国定教科書が広めた誤解だった―。長く教科書研究の第一線にある著者が、明治維新から敗戦直後の「墨ぬり教科書」まで、日本近代の初等教科書にまつわる様々な事実を紹介し、問題点を指摘する。
目次
江戸時代の初等教育
近代教育の揺籃期
教育勅語体制下の教科書
国定教科書の時代
教科書教材の時代相
敗戦と「墨ぬり」教科書