出版社内容情報
皇居二重橋にある龍のレリーフ,帝都を守る橋の配置,そして幻の大運河――東京には隠れた土木遺構が数多く眠っている.近代化の掛け声とともに造られたトンネル,橋,鉄道,駅,道路…それらは設計家の美学を反映し,美しいシルエットと素晴らしい装飾に彩られていた.いまに残る土木遺産を訪ね,建造の秘密を解き,現代の土木美を説く.
内容説明
皇居二重橋にある龍のレリーフ、帝都を守る橋の配置、そして幻の大運河―。東京には隠れた土木遺構が数多く眠っている。近代化の掛け声とともに造られたトンネル、橋、鉄道、駅、道路…、それらは設計家の美学を反映し、美しいシルエットと素晴らしい装飾に彩られていた。いまに残る土木遺産を訪ね、建造の秘密を解き、現代の土木美を説く。
目次
1 装飾のメタファー
2 アーチの空中回廊
3 見える地下、見えない地下
4 帝都の門
5 水辺のオアシス
6 近代土木遺産を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
15
東京に(主に明治以降)建設されてきた橋やトンネルなどについて書かれた本。東京に住む者としては、馴染み深いものも多く、また知らなかったこともたくさんあり(アキバに秘密の地下通路があったとは)、興味深く読めた。文中で言及されているとおり、どういった意図で建てられたものなのだろう・・・などと考える謎解きの要素もある建築学。老朽化は心配されるものの、保存すべきものは遺していかなければいけないと思う。2013/08/21
takao
3
東京を歩きたくなる2024/04/13
★★★★★
2
なかなか根強い人気の近代遺産探訪。本書もまた、明治以降の東京における建造物を紹介・分析しようという趣旨の本ですが、橋梁やトンネルなどの土木遺構を対象にしている点が特徴です。素人にとって土木は建築よりも地味な印象ですが、なかなか面白いですね。それにしても3ページということはなかろうて。2009/06/13
rbyawa
1
e368、明治からの都市計画などにも触れられていますが、どちらかというと現在も残る遺構がメインの本かな。前に読んでいた本で「土木」という概念があるのはそもそも日本だけと聞いていたんですが、土木学会があっても土木史の研究がなく、価値があるものが残されないという嘆きも(そもそも個人名を名乗るのも恥ずかしいとか)。治水の一貫である荒川放水路や多摩川の六郷橋や大師橋に関してや、それがあってこそ洪水がない生活が出来るようになり、京浜工業地帯が形成されたという歴史、そういうふうにつながると確かに興味も出るだろうにね。2015/01/03
すーさん
0
東京の橋を切り口に土木遺産の紹介と明治時代には門という位置づけのあった橋が、戦後は機能のみを追求した耐久期限が来れば建て替えることを前提に造られていると披露。地震があるとはいえ、百年利用できる橋や建物を作ることがモノの大切さを教えることにつながるのではないか?2016/04/25