出版社内容情報
廃墟の光景から出発し,時代の推移と社会の変貌につれ,その時々の課題を担ってきた戦後日本の文学.時代の伴走者たる文学者たちの営みの軌跡を「政治」「性」「モータリゼーション」「家」「アメリカ」などのテーマに沿ってたどりながら,さらに在日朝鮮人の文学活動をも視野におさめて,新しい文学のたどるべき行方を探る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
59
文学とは非常に混沌としたものであるということを、改めて気づかされた。また、本作で紹介されている作品を読もうと思うと、ほとんどの場合図書館に行かないといけない。ゆえに文学の生存ということにも思いが至る。2017/06/07
fseigojp
13
戦後文学の良質な参考書だった 基調は反米だった2019/02/15
オオタコウイチロウ
1
ベトナム戦争までと、終章だけだが、どうにも密度低い。どうしようか。2021/06/11
トリスタン
1
いまさら戦後文学でもと思いつつ読んだが、それでも記述はよくまとまっていて、頭のなかがすっきりした感じ。村上龍と村上春樹の登場で「戦後文学」は終わるというのが定説らしいが、納得できるような、ちと不満なような。戦後文学以後、もう25年。「戦後以後文学」の時期をまとめた本はないのか。2020/05/07
にゃん吉
1
終戦後発表の小説について、いくつかのキーワードに沿って書評等がされていて、面白く読めました。普段あまり小説を読んでいないので、ブックガイド的な意味でもよかったです。最終章で、「戦後」や「戦後文学」の定義とか、「戦後文学」が終わっているのか否かという話がありますが、少し駆け足、曖昧というカンジも。しかし、この辺りに拘ると、別の本になりそうだし、講学的な話だとキツイかもなどと思い、本全体としては、これでよしというところかと。そもそも、「戦後」とか「戦後文学」ってなんだろうという興味も少しわきました。