出版社内容情報
様々な異議申立てが噴出した一九六○年代に台頭した小劇場運動は,日本の現代演劇を一変させた.実験精神に富み,日本的独自性を追求した唐十郎,鈴木忠志ら第一世代を中心に,つかこうへい,野田秀樹ら後続世代を描いて,新しい感性が織りなすドラマを,同時代の現実と感触の中で浮彫りにする.鮮明に浮上する戦後日本文化の特徴的断面.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
15
1960年代、従来の新劇とは異なるアングラ演劇が登場したところから、つかを経て、野田や鴻上までの演劇史を概観。実際、2章以降は微妙で、著者の観劇やインタビューなどの経験を通してアングラ演劇を語っていく1章がとても面白い。当時の唐や寺山の衝撃の大きさがよくわかる。ところどころに笹野高史や佐野史郎などの現在でもよく目にする名前が出てくるのは嬉しくなる。2019/08/01
佐島楓
13
知識不足なのと恩田陸さんの「チョコレートコスモス」を読んだので。ものすごくエキサイティングなことができるのが演劇だと知った。やはりこればかりは実際に見てみないといけない気がする。2011/09/19
yu
7
日本の演劇を、安保闘争の時代からバブルがはじけるあたりまで伴走者として目撃した体験と印象を綴っている。 今まで生きてきて1回しか演劇は観たことないんだけど、当時のダイナミクスと熱量が文章から伝わってきてあれもこれもリアルタイムで観たかったな、という想いが止まらない。 まずは古典演劇から、型のパターンを知ることからはじめようかな。2020/07/17
多喜夢
3
今頃、扇田さんは蜷川さんと天国で仲良く語り合っていることでしょうね。 80年代にあちこちの劇団を見まくった思い出が蘇りました。蜷川幸雄は商業演劇となってしまったので、チケットが高く、ほとんど見ていなかったのが心残りです。天井桟敷も見てないことも悔いが残っています。2016/05/19
mstr_kk
3
再読。さすがに資料としてよくまとまっています。2014/11/22