岩波新書<br> 科学技術の戦後史

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岩波新書
科学技術の戦後史

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  • サイズ 新書判/ページ数 198p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004303954
  • NDC分類 402.1
  • Cコード C0221

出版社内容情報

日本の敗戦は科学技術者たちに虚脱感をもたらすと同時に世界の第一線への窓を開け放った.そして占領下での民主主義的科学育成の夢が挫折した後,ひたすら市場向けに徹して発展してきた日本の科学技術は,高度成長,石油ショックなどを経て,冷戦後の現在どこに行こうとしているのか.新資料をおり込み,この半世紀を物語りつつ今後を展望.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にゃん吉

4
戦後から90年代前半頃までの本邦科学技術の歩みを、起(占領期(1945~1952年))、承(高度経済成長期(高度成長期(1956年頃~1960年代))、転(科学優先主義の曲がり角(1970年代))、結(日本型モデルの成立(1980年代以降)の章立てで叙述し、最後にまとめという構成。12年間の共同研究の成果を出版するに先立ち、一般読者向けに書き下ろしたものとのこと。日本的産学官の関係が簡潔に示され、分かりやすく、面白い。「起」の章で、以前話題となった日本学術会議の沿革が知れたのも、興味深くありました。 2023/02/04

茶幸才斎

3
占領下での経済復興を目指した再出発を「起」とし、朝鮮特需を背景とした技術移転による高度成長の開始を「承」、70年代の公害と資源問題による進歩思想の挫折と短小軽薄産業への転換を「転」、そして80年代の技術立国指向と国際化への対応を「結」として、戦後の科学技術史を解説。米国に追い付き、今後は環境と省エネ技術を売りに進むと思われたが、今回の地震と津波に学会の無力感は大きく、続く原子力事故には旧来のエネルギー政策と産業界の利権構造が総括を阻む。進むべき方向性として、この国は産学官とも、いまだつまずきの只中にある。2012/07/21

オランジーナ@

1
科学史家の戦後科学史。日本の原発は反対運動を恐れ、事故を認めず、秘密主義であった。一方、ドイツもアメリカも原子力技術は不完全であり、他の技術と同じく公表公開して技術を改良してゆこうという思想に立脚していた。2016/06/10

kaizen@名古屋de朝活読書会

1
岩波新書愛好会】中山茂さんの本は、何冊か読みました。 新書で読めるのは嬉しいです。 科学技術の戦後史は、いくつかの立場によって見え方が違うかもしれません。 アメリカから見るか、中国、韓国から見るか。 日本の中でも、政府から見るか、財界から見るか。 本書は一つの見え方を教えてくれます。2009/09/08

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