出版社内容情報
現代社会の富は,「商品の集積」ではなく「ブランドの集積」として現れる.単なる商品名にすぎないブランドがなぜ価値をもつのか.そして究極のブランドとは何か.ブランドの誕生と成長を解き明かす価値創造のマーケティング論.
内容説明
現代社会の富は「膨大な商品の集積」ではなく、「膨大なブランドの集積」として現れる。高級品から日用品まで、ブランドではない商品は見つけにくい。単なる商品名にすぎないブランドが、なぜ価値をもつのか。そして、究極のブランドとは何か。ブランドの誕生と成長のダイナミズムを解き明かす価値創造のマーケティング論。
目次
序 ブランドを支えるもの―消費者の欲望か制作者の思いか
第1章 ブランドが支える企業の成長
第2章 ブランドだけがブランドの現実を説明できる
第3章 ブランドの創造的適応
第4章 ブランドの価値論
第5章 ブランドの命がけの跳躍
第6章 消費者とブランド価値
おわりに―メディアとメッセージの交錯
著者等紹介
石井淳蔵[イシイジュンゾウ]
1947年大阪府に生まれる。1970年神戸大学経営学部卒業。1975年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。同志社大学教授を経て、現在、神戸大学大学院経営学研究科教授(商学博士)。専攻は経営学、マーケティング論
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感想・レビュー
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KAZOO
77
ブランドについて経営学的な観点から分析されています。最初にグリコのポッキーと日清食品のインスタントラーメンについての実例を挙げて説明してくれます。そのほかにも結構日本のなじみのブランドを紹介してくれているので理解しやすさがあります。ブランドとマーケティングとの関連についてはいい入門書であると思いました。2015/08/22
ゲオルギオ・ハーン
25
1999年発行。企業や商品から連想されるイメージが良いもの、ロゴがついているだけで価値を感じてしまうものをなんとなく「ブランド」と表現するが、そもそもブランドとはなにかを考えた一冊。ブランドは不思議なものでそれ自体で価値を生み出すが、他のブランドとの兼ね合いでポジション(車や食べ物など)とるし、消費者にとっては自分の消費スタイル(衣服など)と結びつかせるものでもある。本書は哲学的な部分もあって少し難解だけど、ブランドについての考え方を整理できて良い読書になった。2023/10/08
佐島楓
19
「ポッキー」などを例に挙げ、ブランドとは何か考察した本。例が例だけに楽しく読めるが、だんだんと難解な内容になっていくのはしんどかった。「つくったものを売る」という考え方から「売れるものをつくる」という発想の転換、マーケティングの戦略といったところが主に興味深く読めた。2013/08/31
Aki
8
久しぶりに読書。製品の名前から使用機能の名前、使用機能の名前からスタイルの名前、スタイルの名前からフィロソフィーの名前へと変わっていく中でブランドが成立する。そのブランド拡張の過程で何度も何度もマーケターの命がけの跳躍がある。他の商品との差異性と商品群の統一性にゆれるブランドの、価値はどこから来るのか?マルクスの労働価値説に反してそれ自体が剰余価値を生んでいるブランドの不思議を紐解く一冊。2018/12/16
アルゴン
5
★★★★ ブランドの出来上がる仕組みについて解明を試みた本。これによると、ブランドは作ろうとしてできるものではないという複雑な構造をしているようです。できると強いブランドですが、作るのはラクではありませんね。そして壊れるのは一瞬です。2015/06/20