岩波新書<br> イスラーム巡礼

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岩波新書
イスラーム巡礼

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004306771
  • NDC分類 226
  • Cコード C0214

出版社内容情報

イスラーム太陰暦の12月,メッカの聖域をめざして各地から集まってくる巡礼者たちの儀礼を紹介.それを支えてきたヒト・モノ・情報のネットワークを手がかりに,国境の枠を越えたイスラーム世界の構造を解明していく.

内容説明

イスラーム太陰暦の一二月、メッカの聖域をめざして世界各地から巡礼者たちが集まってくる。遠く七世紀に始まるこの儀礼は、イスラーム世界全域に渡るヒト・モノ・情報のネットワークによって支えられてきた。儀礼の実際を紹介しながら、国境の枠を越えて広がるイスラーム世界の構造を、ネットワークの重なりを手がかりに解明していく。

目次

序章 ネットワークからみる巡礼
第1章 巡礼の起源と儀礼
第2章 聖域への道
第3章 広がる商業空間
第4章 思想の窓口メッカ
第5章 パン・イスラーム主義をめざす旅
終章 イスラーム復興のなかで

著者等紹介

坂本勉[サカモトツトム]
1945年山梨県に生まれる。1969年慶応義塾大学文学部卒業。1975年同大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、慶応義塾大学文学部教授。専攻は近代イスラーム社会史、中東イスラーム経済史
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感想・レビュー

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にゃん吉

5
巡礼の沿革や儀礼の内容から始まって、巡礼による商業的空間の広がり、情報のネットワークといった事象が叙述されています。イスラム共同体というのは、元々そういうものなのかもしれませんが、巡礼というのは、特に、国、民族、言語等々が異なる人々を信仰という一点で統合する、象徴的な儀礼なのかなという印象を受けました。各論的には、Ⅴ章で叙述されている山岡光太郎の巡礼等々の日本とイスラム世界の関わりが興味深くありました。    2021/04/27

jj

5
2000年刊。イスラム太陰暦12月、聖地メッカを目指す巡礼者。日本の四国八十八箇所巡礼や西国三十三箇所巡礼との相違や類似点の解説は分かり易い。死に対する疑似体験、不治の病に対する決死の覚悟を持った死出の旅、白衣を着し、棺桶の蓋を象徴する菅笠をかぶって行くお遍路の出立ちの類似性についての解説は興味深い。世界中からメッカ巡礼に必要な費用の為替手形による両替システムはアッパース朝から発達していたというのは興味深い。パンイスラム主義は、特に日本の貢献度とその役割は参考となる内容。2016/10/11

うえ

3
簡単なイスラム史にもなっている。イスラムも近代に至り教義の近代的改革をしない訳ではなかったが、丁度西洋の植民地になった為、改革がならず未だにスンニ派などこじらせている感じ。「インドを植民地化したイギリスにとって巡礼をめぐる問題は大きな頭痛の種であった…たちの悪いブローカーや宿屋に騙されたりすることが多く、これをいかに保護していくかということがイギリスおよび植民地インド政府の大きな課題となっていた」「同じ一神教であるキリスト教では、巡礼はしばしば罪をあがなうことを目的としておこなわれてきたといわれる」2014/12/20

カリスマ予備校生

3
イスラームの五行、イスラーム文化の形成にも大きく影響を与えた巡礼に話を絞って解説した入門書。犠牲の話や日本ではじめてのイスラーム教徒の話など興味深かった。2014/09/24

wei xian tiang

1
意外な所で我が郷土の偉人•明石元二郎が出て来た。参謀本部とイスラームについては海野弘も何か書いてたっけね。巡礼月のミナーの谷間を埋める大天幕群の写真に萌え。2013/12/17

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