内容説明
英雄も政治家も登場しない、環境の視点から書かれた自然と人間の世界史。
目次
1 イースター島の教訓
2 歴史の礎
3 人類史の九九パーセント
4 最初の大転換
5 破壊と生存
6 長い戦い
7 ヨーロッパ植民地の拡大
8 思想の変遷
9 自然の蹂躪
10 第三世界の成立
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イノ
18
自然から見た世界史。 イースター島から人々がいなくなったのは森林を消費しすぎてやがて無くなり生活出来なくなったから。 地球規模に置き換えて見るといくら大きく豊かな自然といってもありとあらゆる動物、植物、森、土の消費量の数値の大きさに戦慄 最近歴史の本を多く読むようになり人類の歴史が血と破壊にまみれていると知ったが自然も動物も対象だと知って憂鬱になる 植物がいかに反映したのかの歴史だと思っていたから戸惑った。 2018/01/19
ジュン
4
一人の英雄も事件も出てこない「世界史」。イースター島の教訓から人類が環境や生態に与え続けてきた破壊の数々、そして「豊かさ」の限界まで。 経済や政治ではなく、環境という視点を通して「世界史」にアプローチするという、これまでの人類史の盲点をついた一冊。「銃・病原菌・鉄」よりはるかにいい。2016/01/20
matsu
2
人類の歴史は環境破壊の歴史であった。 そして環境破壊を自覚した現代においてさえ、経済と、そしてほとんど無駄と同義の利便性のために、持続し得ない生活を続けている。 それは知の愚劣を意味する。 人類の知が、家、都市、社会から排除したものこそ、生存に必要なものであった。 矮小な一個人として、できることを模索したい。2013/10/30
natsuiro
2
銃・病原菌・鉄、と合わせて読むと、よりおもしろいです。2010/04/04
taming_sfc
1
クライブ・ポンティングによる1994年の訳著。石弘之先生および京都大学環境史研究会訳。環境史の著作としては、邦語では本書ほど入手しやすく、かつ詳細にわたって澱みなく書かれている本も珍しい。本書は、上下巻の上巻として、イースター島の教訓、農業革命、インダス文明、人口と食料、植民地時代、一神教(ユダヤ・キリスト)の世界観と環境、プランテーションと環境、といった話題が並ぶ。環境考古学、環境社会学、文化人類学、環境史に関心のある学生必読の書である。2011/08/05