講談社現代新書<br> 万葉集入門

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講談社現代新書
万葉集入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061154339
  • NDC分類 911.12
  • Cコード C0292

出版社内容情報

【内容紹介】
自然の偉大な姿を率直に表現し、人間の生きのびる喜び、悲しみ、苦しみを高らかにうたった万葉集は古代から日本人の心にしみこみ、長く親しまれ、愛されてきた不朽の古典である。また、その「ますらおぶり」はたんに文学だけでなく、思想や芸術にもはかりしれないほどの影響を与えつづけてきた。本書は幼いころから万葉に接し、以来50年万葉を研究しつづけてきた斯界の第一人者が人麻呂、赤人、家持、憶良、旅人などの名歌を自由に引用し、歴史、風土、人生観などのさまざまな角度から日本の抒情詩のふるさとを訪ねた意欲の書であり、また万葉をひもとく人々へのもっとも適切な入門書である。
万葉人の愛──万葉時代人の人間的自覚は、人間を愛することと、人間の死を悲しむことに切実に現れています。万葉集の歌の分類が恋の歌などを贈答する相聞、葬式のときにうたう挽歌を2つの主軸として、これ以外の種々の場合を雑歌としているのは、愛と死とが、人間にとって最も重大な点であると考えたからでしょう。万葉時代は、すべてのものを愛するところから出発します。相聞はわれと他人との贈答をさしていますが、その中心となるのは男女の恋愛です。しかしそれだけでなく、親兄弟の贈答の場合も相聞といわれます。この点が古今集以降においては恋愛に限られてしまうのと相違しています。──本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ノヴ

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自然は移ろい、人生は栄枯盛衰の甚だしい。そんな無常風に誘われる世に、万葉人はいかに、美しく生きたか?山上憶良は生を追求する理性的な生き方で、山部赤人はあくまで清らかなものを求めて純粋に生きていく。はじめ私は、愛情と義務を一体と捉え、苦しみにみちた人生を生き抜く、憶良に強く心を打たれた。しかし、両方の生き方が大きくつつみあう点に人間形成の道がある、という久松氏の思いに魅了された。また、真っ当に仕事をするが、明るく享楽主義をうたう大伴旅人に、それもありだよなあと、時空を越えた人間臭さを共に味わえた気がした。2016/10/05

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