出版社内容情報
【内容紹介】
聖書は、神話と伝承につつまれた、人間歴史の壮大なドラマである。旧約聖書や新約聖書にみられる奇跡と驚異の物語は、古代オリエント地域に生きた“神々と人間”ののぞみの結晶である。聖書の起源には、土地を求めてさまようイスラエルの民がおり、神ヤハウェとの契約を成立させる土地の祭りがある。また救い主キリストの背後には、カナン地域の死と復活の神々、病気なおしの神々の系譜がある。本書は、聖書を教典としてみるのでなく、古代オリエント地域にある多くの伝承断片が、なぜ聖書へと結実していったのか、その過程と謎を解明する。
伝承文学としての聖書――聖書には旧約聖書があり、新約聖書がある。どちらも、その内容については、別個の独立した文学の集成としかいいようがない、膨大な文書の集成なのである。旧約聖書39巻、新約聖書27巻、ページ数にして1700ページをこす。もちろん一言の説明も、あとがきもない。製作年代もマチマチ、作者も多くは不明である。というより本来が作者不詳の口承文学、あるいは伝承のたぐいに属するものが多い。こうした謎につつまれた聖書を前にして、それにもかかわらず、聖書に起源があるという事実は、何という大きな魅力であろうか。この魅力のすべては、その内容から発している。――本文より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
10
旧約聖書と新約聖書、とりわけ、モーセ六書と四福音書の間には、一千年近い時間の隔たりがあるという。にも拘らず、二つの物語は一本の線で結合しているらしい。両者を繋ぐ線は、古代オリエントの神話。肥沃な三日月地帯で生まれた神々の興亡と、砂漠で生まれた一神教がスパークする時、新たな物語が生まれる。本書は、そのルーツを巡る話。2022/03/22
sk
3
これは聖書入門として最適ではないか。2014/03/12
発起人
0
世界最大のベストセラーの謎に挑む2004/07/01
lobking
0
当たり前だが、キリストは書いてない。2010/09/02