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出版社内容情報
【内容紹介】
エントロピー的な力とは何か?
気体を箱に入れると、箱のカベに中から圧力がかかる。分子的な立場からいうと、気体がひろがろうひろがろうとするのは、分子がはげしく走りまわっていて、スキさえあれば遠くへ遠くへ脱出しようとするからである。ところが一方、気体がひろがろうとすることと、そのエントロピーを大きくしようとすることとは同じことなのだから、つまりはエントロピーをふやそうとする傾向が圧力となってあらわれる、といってよいことになるわけだ。(本書5章より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
69
#感想歌 エントロピー物理限界概算す情報限界物理制約 p.s. 情報のエントロピーと熱力学のエントロピーは、しばしば混同して用いることがある。 そういう自分でも、厳密に区分して説明することがうまくできないことがある。 連続量と離散量の違いとか、物質の場合と概念だけの場合の違いについて。 本書では、でたらめさ加減という比喩で、理解を促そうとしてうる。 大事な勉強の仕方だと思うので、大変参考になります。2008/11/23
Datt
2
★★★★★エントロピーは,熱力学ではつかみどころのない抽象的な説明で片付けられていて,難しくて聞きなれない変な響きの言葉のまま終わっていた.そんな難しい概念をここまでわかりやすく説明してくれる本には初めて出会った.むしろ,本書のように身近なところからスタートしたほうが分かりやすいし,エントロピー自体はすごく簡単だということに気付いた.生命,環境問題,社会組織,音楽と,あらゆることはエントロピーを結びつけて考えることができるということに気付かされ,物事を見る新しい視点が得られた.2013/11/02
tada shohei
2
★3 統計力学の話かとおもったら、そうでもないし。 でも、若干統計力学みたいな話もでてきたし。 他のブルーバックスで『「エントロピーとは何か」で語られているエントロピーは正しくない』みたいなことを書かれたらしく、最後10行くらいで、むきになって反論しているのが、理系のおじいちゃんだな、って思えて声だして笑った。2009/03/11
非平衡がんばる
1
統計力学の立場からずっと説明をするので、熱力学で出てくるエントロピーという概念の、ふわっとした定義についての言及だがなかった。そこをうまく説明してくれるのを期待したのに。 文系(の父)に勧めるにしてはすこし地味で真面目すぎるかもしれない。 理系の学生が読むには熱力学の勉強にはならないし、情報理論は他書にあたるべき。 説明は丁寧でわかりやすい。2015/11/13
Pozigaku
0
これほどエントロピーの概念を実例を交えつつ分かりやすく説明した本は見たことがない。こういうのを紙で復刊して欲しい。2021/11/17