感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
ミクロレベルでは客観性は成り立たない。対象を見るには光が必要であり、このレベルでの光は粒子なので見る対象と光の粒子が衝突しなくては見れない。衝突後の状態は観測できるが衝突前の対象は観測できない。ここから著者は、量子力学を観測の範囲に限定し、オブザーバブル(観測可能な物理量)と呼んだ。その一方で、観測機械を人間の五感の拡張と仮定すれば、認識もオブザーバブルと見なせると考える著者は、自らの夢のデータをユングに提供して無意識と意識を含む「心」に接近する。本書は物理学的観測者による心と宇宙を相関させる試みである。2022/02/17