出版社内容情報
【内容紹介】
本書は、昭和九年に刊行されるや、一世を風靡し、戦雲たれこめる暗く不安な時代にあった人びとに一筋の光明をもたらした名著であり、原始仏教のもっているみずみずしい生命力を復興し、法句経の名を天下に知らしめたのである。仏教再認識の機運を盛り上げ、昭和の仏教革新運動の起点となった本書は、いまなおわれわれに、仏教の真髄が何であるかを教えてくれるとともに、人生というものは豊かな意義深いものであると認識させてくれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソーン
4
深い 熱心に神さまにお祈りして、それが叶えられなかったからと言って信心をやめることを幼稚だと指摘してあり(これがドイツ人キリスト教信仰の話なのでまた面白い)、長年の疑問の答えが書いてありました。 昭和初期にこのような比較的難解な考えを説明したラジオ講座が大人気を博したとは、私たちの知的レベルの劣化を見せられるようです。平易な言葉で卑近な例を使っていますが、言わんとすることは大変深く、何度も読もうと思います。2020/09/15
一
2
法句教、Dhamma-padaですよね(予測変換出てびっくり)中村元先生の真理の言葉で原典を読んでいましたが友松先生の話口調がとても優しくてより心に沁みました。 良著です。この本と出会えたのも縁ですね。 また本当に苦しく追い込まれている時、ふと手にした本が今まさに自分のためのような内容に巡り合うことが人生で何度かありましたが、この本もそのようでした。 今まで眩しく活躍されていた人が自死を選ぶような時代です。 些細なことからも生きることと、瞬間を感じることに集中して生きていきたい。2020/10/22
なみふく
2
久しぶりに読んだがあまり覚えがないと思っていたら5年前に読んだきりだったか。 友松氏による解説は良く考えて書かれているが、実践できていない自分を顧み、空理空論ではない仏の道ををとらえられたらとも思う。 2018/05/09
なかすぎこう
1
昭和9年にラジオで放送された名講義。爆発的な人気と反響を呼んだという。人生はもともと苦であること。恩寵のように楽しさが現れ出てくること。自分がどのように未熟であろうと、過去に人に迷惑をかけた者であろうと、今、から一歩でも人のためになるべく努力する。自分の日々のどのような苦しみでも、解決する方法を解く。こういうと、安易に取られがちであるが、本当に役立つ言葉が述べられている。線を引いて読んだ。2023/05/16
川山空人
1
人生病の治療法、それこそが仏教である。2020/11/20