内容説明
徳川幕府は慶応2年英・米・仏・蘭と改税約書を締結、日本は列国に対して灯台建設を義務づけられた。ブラントンが新政府お雇い灯台技師として日本に着任したのは戊辰戦争(明治元年)終結直後であった。爾来十数年、わが国は漸く封建制から脱皮し、欧米先進国を範とし、試行錯誤を繰り返しながらもひたすら近代国家を目指した。本書は政府役人と近代技術移植の先駆者との人間関係を通じて開化期日本の姿を描いた貴重な見聞録である。
感想・レビュー
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Sanchai
1
現代の青年海外協力隊員や技術専門家が開発途上国に行って業務遂行しようとして直面する途上国の問題は、明治初期に日本に招聘されて来ていたお雇い外国人が日本で直面した問題とすごく共通しているのがよくわかった。在外公館の大使や公使にお願いして上から落としてもらって成果につなげるという手法も同様。今も途上国に行けばいろいろとストレスを感じることがあるが、昔の日本もそうだったんだというのを忘れないようにしたい。2020/04/04
moonchild
1
明治初期、幹線道路も整備されていない当時に灯台を建設する資材は海路で運搬されたことを初めて知った。几帳面で実直な著者の人間性が垣間見える、面白い手記でした。2016/10/14
keitanaruto
0
海軍陸軍のお雇いが違うことが体制の違いに影響したことは有名です。フェノロサの話も、有名ですが、詳しく書かれていて、更に関心を引きました。