講談社学術文庫<br> 日本人の一生

  • ポイントキャンペーン

講談社学術文庫
日本人の一生

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 268p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061589131
  • NDC分類 385
  • Cコード C0139

内容説明

日本人のタマ=魂は、遙か海の彼方の妣が国からやって来る。誕生・成人・結婚・死生。私たちの一生は、その折節を特有の通過儀礼によって区切られている。神を祭り神に祈り、季節の行事や共同体の習俗に従って生きる。そしてタマの帰るときが来れば、残した者たちの「御先祖」として永生の時を得ることを至上の望みとした。本書は、そのような日本人の哀歓にみちた一生をトータルに描き出している。

目次

序 魂のふるさと(民族の郷愁;海のかなたの他界;いろいろのタマ)
1 神から人へ(お産と小石;産屋の誕生;産湯;産神と箒神;幼児の生存権;名前の話;日本のゆりかご;成長の段階)
2 こどもの世界(むかしの教育;親子でないオヤコ;初潮を祝う;こどもの中の古代)
3 青春の歴史(若いということ;青年と試練;むかしの青春;祭りの夜と若者たち;恋愛の歴史;神と巫女の結婚)
4 人生の哀歓(聟入りから嫁入りへ;亭主と主婦;村と年齢層;病気と日本人)
5 死とその後(魂と肉体;喪の終結;生れがわり)
6 人生の目的(日本人の死生観;人の世の幸福)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

26
夫の書庫より。ところどころ女子的にはいらっとくる描写はあるけれど、古代から「日本人」がどのように生きてきたか、というまとめ自体は面白かった。2020/05/15

うえ

9
「こんな話がある。むかしあるところで、大きな吊り鐘をつくったが、それをどうしても吊り下げることができない。村の人は困ってしまった。その時、ひとりのこどもが、まず鐘にあわせて鐘楼をつくるがよいと教えた。鐘の竜図を鐘楼の梁に吊り下げておいて、鐘の下の土を掘ってゆけば、おのずから鐘を吊り下げることができるという…見事に鐘を吊り下げることができた。しかし、そんな利口なこどもは将来なにをしでかすかわからない…村人はそのこどもを殺してしまったという話である。同じような話は、有名な長柄の人柱伝説にもみられる」2018/03/03

壱萬弐仟縁

5
1965年初出。「愛知県北設楽郡の〝花祭り〟のように重い斧を振りまわしたり、動きのはげしい、たいへん力のいる芸能を村の若者たちが演じるところがずいぶん多い」(150頁)。しかし、過疎化高齢化で実態はなかなか後継者不足で大変である。今は初出から半世紀近く経っている。奥三河地方は夜通し行う祭りがあるが、山深い地域で閉鎖的な世界だったからこそ、慣習が現代でも生きているのかもしれない。2013/03/11

まりん

1
おもしろいところと、マニアックすぎて置いてきぼり感の強いところと、多少のムラはあるが、とにかく日本人であることの「誇り」みたいなものをちょっとだけ感じた。日本人がマネが得意な理由。非常に興味深い内容だった。手元に置いておきたい一冊。2011/02/26

Koushi Kawasoe

0
日本人が古来から有している精神文化(とりわけ「タマ」の思想)をもとに、人生の通過儀礼において、各地ではどのような事例があるか、また意味があるかと言ったことが、簡潔に書かれた民俗学の入門書である。自分の生まれ育った家や周りでも行われている摩訶不思議な慣習が、「神と巫女」、「タマ」の保護、崇拝、分配、成長、鎮魂といった視点で次々と説明されていく様子は圧巻であった。伝統文化は時にその意義を失って、ただ実行することを盲目的によしとする部分がある。これらに触れる機会の少ない現代にあって民俗学の重要さを改めて感じた。2019/01/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2160067
  • ご注意事項