内容説明
文豪露伴は、かつて身寄りの初心者を相手に俳句指導の会を開いたことがあった。露伴の甥にして後に東大教授・作家として知られた著者が、自らその筵に列なったときのノオトをもとに露伴の肉声を再現する。的確無比の評言、舌を捲く博引旁証、ときに微醺をおび悠揚と説く俳句作りの勘所は、読む者を魅了する。一読、句作の腕・鑑賞の力が一ランク・アップ疑いなしの、豊饒にして稀有の記録である。
目次
露伴の俳話
露伴の思い出
露伴の片鱗
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
4
べらんめい調は著者によるものだが、臨場感がある。一言一言が真実をついていて実に面白い。俳句についてさりげなく書かれていることが俳句詠みにとってどんなに役に立つことだろうか。幸田露伴の博識ぶりも目を見張るばかりである。再読してメモをしておかないと。連歌の作り方も興味深い。2017/04/22
みつひめ
1
露伴先生から俳句の講義を受けているような気分になれる。露伴というと、難しそう、怖そう、という印象を持っていたが、著者の露伴への敬愛の気持ちが、これだけ活き活きとした話の再現を可能にしたのだろう。言葉の選び方、モノの見方、俳句とは?を通して、いろんなことを教えてもらった。2015/05/11
すいれん
0
べらんめぇな感じで面白かった。観賞する側にこそ、語彙や時事に通じてないといけないんだなとしみじみ感じた1冊。…やっぱり、相手をリスペクトすべきだよなぁ。雑談がすごくふるってる。露伴も読んどくべきか…。2014/12/23
悸村成一
0
読了121冊め。6刷1993年。2021/12/21