内容説明
ヴェンセスラオ・デ・モラエスは、ポルトガルの海軍軍人として明治末期に来日、日本婦人と結婚し、日本に関する数多くの著書を発表した。本書は、日本人の言語や宗教や歴史、また風俗や習慣など、日本人の伝統的なものの考え方や感じ方の特殊性を、細部に至るまで的確・鮮明に取り出して見せてくれる。日本に30余年も生活し、徹底して日本を愛した外国人の、先駆的かつすぐれた日本人論である。
目次
見知らぬ友に
1 最初の思いつき
2 言語
3 宗教
4 歴史
5 家族生活
6 種族生活
7 国家生活
8 愛
9 死
10 芸術と文学
11 以上諸点の総括
12 日本精神よどこへゆく
補遺 日本における教育
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「新文明を大急ぎで知らねばならぬ立場におかれていた日本人は、西洋人…と同じ結果に到着するために、芸術的な傾向をできる限り利用するというもっとも簡単な途路をとった…だから、ヨーロッパの代数があるように日本の代数があるだろう…ヨーロッパの医学があるように日本の医学があるだろう。だから、ヨーロッパの植物学があるように日本の植物学があるだろう。この最後の科学についてはほとんど疑う余地がない…有名な日本人が、わたしの庭に咲いていた紫陽花の一種を見て、それを二つの名前で呼んで、一つは俗名で、他は科学名だと言いたした」2018/04/20
suzuki-takefumi
0
こうも「日本らしさ」を肯定的に書かれると、どうにもくすぐったい。こうした「日本らしさ」の大半はすでに失われているんだなあ、とは思うが、西洋化もそんなに悪いものじゃないよなとも思ってしまう。2012/03/18