講談社学術文庫<br> 現代のキリスト教

講談社学術文庫
現代のキリスト教

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061592544
  • NDC分類 190
  • Cコード C0116

内容説明

近代の人間本位の神学は神の絶対性を見失わせて、20世紀のニヒリズムを生んだ。このためカール・バルトは再び神の側から発想を取り戻した現代神学を構築した。本書はこの現代神学の古典時代から「神の死の神学」、西田哲学との共通点も指摘される「プロセス神学」、さらに中南米を中心とした「解放の神学」や米国起源の「フェミニスト神学」まで現代のキリスト教を興味深く説く書下ろし力作である。

目次

第1部 啓示と理性(上からの神学・中世と宗教改革期;下からの神学・近代神学)
第2部 現代のキリスト教(現代神学の古典時代;ポスト・モダーンとキリスト教;ネオ・ロマンチシズムの神学に向けて)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

1
ローティからクーン、西田まで出てくるキリスト教から見た現代思想。著者は博覧強記。ハイデガーが如何にかつての思想を批判し、それをデリダが批判し、それをローティが批判し、著者が批判するという形。「フランス5月革命の旗手ドゥルーズが自殺した。その他にも、5月革命を担った哲学者の自殺がパリで相次いでいる。このようなことを軽々しく論ずることは不謹慎だが、彼らは先に引用したイザヤの告白を、いわば地で行ったのではなかったか」「災いだ。私は滅ぼされる。私は汚れた唇の者…しかも私の目は王なる万軍の主を仰ぎ見た(6章5節)」2015/01/31

星規夫

1
簡単な入門書かと思ったら、とんでもなく中身の充実した神学史の解説書だった。現代思想の下りは理解が追いつかない……。難しい箇所も多々あるが、しっかり読む必要があると確信した。近代合理主義を乗り越えるには、反-近代ではなく脱-近代の思考を身につけなければならない。しっかりした宗教観、世界観を身につけたいなあ。2012/05/30

antoinette

1
「現代のキリスト教」というよりは「現代のキリスト教神学」というべき内容です。私は著者の本が好きなので楽しめましたが、なにも知らない人がキリスト教に関する軽めの概説かと思って読むと、コアすぎて呆然としてしまうかと……。ほかの著書と内容が被る部分もありますが、文庫ということで自身の主張を一所懸命つめこんだのかなあという印象。神とは絶対無とでも云うべきものなのでは、という思考に到っている人や、現代思想の「スキゾ」「たわむれ」といった相対主義的用語が苦手な人には面白いと思います。2012/04/15

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