講談社学術文庫<br> トマス・アクィナス

講談社学術文庫
トマス・アクィナス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 527p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061593770
  • NDC分類 132.2
  • Cコード C0110

内容説明

理性優位の時代に、科学は、また宗教は、人間の生といかに係わっていくのか。本書は、中世最大の思想家トマス・アクィナスの理性と信仰の総合へ向かう思索の軌跡を、伝記や『神学大全』等の著作に拠りつつ論証する。「恩寵は自然を破壊せず、むしろこれを完成する」というトマスのテーゼに、21世紀への解が示される。

目次

1 トマスの思想(日本におけるトマス;思想史におけるトマスの位置 ほか)
2 トマスの生涯(幼少年時代;ナポリの大学とドミニコ会 ほか)
3 トマスの著作(著作の分類と解説;トマス著作集)
4 トマスとトミズムの歴史(トマス没後五十年;近世初期におけるトミズム ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Z

9
トマスアクィナスアクィナスの概説書。生涯。哲学史にどのように影響をしめるか。後世への影響、著作の類型と概説といった網羅的な入門。トマスアクィナスの日本へのインパクトある紹介は哲学者よりも、経済学者の福田徳三により為されたというのが驚き。内容はよく分からない。いつか出直します。2018/06/05

富士さん

4
例にもれず、初めて読んだ時は通読するだけで意味はほとんど読み取れませんでしたが、改めて読むととてもいい本でした。特に伝記部分は秀逸で、よく当時の雰囲気とトマスの人柄が伝わって来て楽しく読めます。思想部分は著書ごとなら難解かつ複雑で絶望に浸ったでしょうが、テーマごとに分けてあるので助かります。根幹だという存在論の意義にはついては今回もいまいち理解できませんでしたが、法学関連の基礎概念がこの人の思想の中に明快に表れているのには驚愕し、世俗化したヨーロッパの価値観の大本にカトリックの伝統を見る思いがしました。2017/08/15

tieckP(ティークP)

4
キリスト教以後の時代にアリストテレスが生まれたら――という感じの哲学・神学内容だった。哲学的な神の証明を肯定した上で、信仰と知性は対立するより、むしろ後者が前者を支えるのだ、っていう立場をとったのがユニークなんだと思う。アクィナスの論じ方は、まず問いを立てて、様々な神学者・哲学者の見解を引いて、自らの解答を述べるっていうやり方なんだけど、博覧強記の裁判官を見ているようだった。良著ながら、自分の知識がまだ追いつかなかったな…。2011/12/19

しお

1
国内随一の中世哲学研究者による聖トマスの歴史的位置およびその「哲学的革新」の概説といえる。人物像の描出(第2部)は彼自身の著作、同時代の証言、各種伝記の批判的な引照によって濃密にして精緻を極める。トピックごとに思想を検討する第3部は、数十行の引用とそれに関するコメントからなり、各部分で各種テクストの形態的な特徴などについて注意を施す。トピックの選定は著者によるものだが、トミスムとその後代への影響を理解する上では有用なのだろう。三大スンマ以外の文献を広範に参照しながらトマス説を整理していく作業は新鮮だった。2019/09/15

Thomas

0
たまにこういう基本図書を読み直すと新たな発見ご会って楽しい。 2017/08/17

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