内容説明
神田の三畳の下宿から生まれた、明治文学の母体「硯友社」。赤貧の一葉を巡る、作家たちの恋の鞘当て。銀座木村屋の前で、アンパンの匂いにいつも足を止めた花袋。胃癌の体を引きずり丸善に『ブリタニカ』を買いに行く紅葉。文学への情熱があった。灼熱の恋、貧乏との戦いがあった。時代も作家も若かった、若い東京を舞台に、日本の近代文学、ここに始まる。
目次
1 麹町・神田篇(樋口一葉;田辺花圃;明治女学校と巌本善治;高田半峰と坪内逍遙 ほか)
2 日本橋・京橋篇(日本橋;淡島寒月;銀座八丁;岸田吟香と『東京日日新聞』 ほか)
著者等紹介
巌谷大四[イワヤダイシ]
1915年、東京生まれ。早稲田大学文学部英文科卒業。文芸評論家。元『文芸』編集長
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感想・レビュー
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miyagi
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東京の地理に沿って、慶応〜明治に活躍した様々な作家の、建築物や土地にまつわるエピソードをまとめたもの。パンの会の根城(?)であった料理店「第一やまと」や、文化の中心となった劇場、カフー先生がソーダを無限に頼んじゃうからよくないよと言った「資生堂」(資生堂パーラー)や「カフェ・プランタン」等々、人物ごとでまとめた項目も。全体の印象としては、戯曲、小説家が多かったような。2017/12/28
海野藻屑
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好きなものがあれば貧乏でも耐えられる。好きなものは自分を守ってくれる。2017/04/27
杉田建作
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東京の地理に沿った文壇話。2011/10/23