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内容説明
小麦粉の粉塵は、なぜ突然爆発したのか?まき割りをするように、物質を細かく砕いていくと、ある大きさの粒(=微粒子)になった時、それは、もとの物質とはまるで違う振る舞いを始める。その不思議な現象の数々を眺めながら、私たちの生活に深く関わる微粒子を解き明かす。
目次
第1章 微粒子とはなにか?
第2章 コロイドと媒質
第3章 微粒子と界面
第4章 水と油をとりもつ微粒子
第5章 濡れるということ
第6章 泡もまた微粒子といえるか?
著者等紹介
前野昌弘[マエノマサヒロ]
1928年神戸市に生まれる。東京大学大学院(工学系)修了。工学博士。化学系企業の研究所長に就任後、東京理科大学教授(材料工学科)、イリノイ州立大学客員教授を経て、工業技術センターの研究指導にあたる。長年にわたり、一貫してコロイド科学をベースとした無機新素材(ファインセラミックスおよびファインケミカル)の研究開発にあたり、これまでに十数件にも及ぶ新規工業薬品の開発に成功。国内外で取得した発明特許は一〇〇を超える。現在、海外および国内の研究所、企業で技術コンサルタントとして活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kent Kaseda
15
面白かった。前半で、コロイド化学や界面化学に関する高校化学レベルの基礎知識を解説している。特に、表面張力の説明が分かりやすくて良い。後半は、コロイドや界面化学の応用分野である、化粧品や洗剤、シャンプー等の仕組みを解説している。例えば、リンスインシャンプーは、本来は実現が困難だが、巧妙な材料設計によって実用化されている、というのは面白い。材料化学の奥深さを感じる。筆者は元化学系メーカーの研究所長とのことだが、シャンプーや洗剤に関する造詣の深さが伺え、恐らく花王あたりのご出身ではないかと密かに予想する。2018/01/02
ダージリン
0
コロイドなど微粒子は勿論のこと、表面張力、濡れ、毛管現象などについて分かりやすく説明してあり、理解が深まった。多少地味なテーマかも知れないが、工業的には重要で興味深い分野である。2013/06/10