ポパー―批判的合理主義

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ポパー―批判的合理主義

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  • サイズ B6判/ページ数 391p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062659147
  • NDC分類 108
  • Cコード C0010

目次

第1章 若きポパー
第2章 反証主義
第3章 社会科学の方法
第4章 開かれた社会とその敵
第5章 思想の冒険―論争の哲学
第6章 オープン・ユニヴァース
第7章 倫理

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

35
ポパーは文理融合の思想であり、科学哲学だけでなく、音楽批評、政治哲学、歴史哲学と幅広い分野を扱っています。ただし本書を読んだ限りでは、反証可能性だけに魅力がありました。科学のテーゼは実証できない。ただ反証のよってそのテーゼが否定されることで真実性が試される。アドルノとの実証主義論争の部分を読むと、私は著者の理解とは正反対に理解しているのだと思います。なぜか本書の反証可能性の箇所は思いのほか正確に書かれていますが、ポパーの思想の全体はあまり魅力的に書かれてはいません。2022/04/07

Shin

7
いわゆる批判的合理主義を標榜するポパーの態度は、科学者としての知的良心に溢れているのだが、理解が浅いせいかところどころで無限後退の罠に足を取られそうになって読むのに苦労した。ドグマに身を委ねるのではなく、永遠に終わらない反証の機会に曝された理論と真摯に向き合うことは、誠実なる理性の態度そのものではある。それはアカデミズムに限らず、「科学的方法」を少しでも使いながら仕事をするのであれば忘れてはならない姿勢だと思う。著者が尻馬に乗ってウィトゲンシュタインに批判の矛先を向けるくだりなんかはちょっと興ざめ。2012/10/12

富士さん

3
再読。多岐にわたるポパーの活動が一望できる名著です。その軸は、すべてのものは先験的な感覚を経験によって修正しながら発展していくもので、科学とはその修正活動を指し、それを阻害してはならない、というところにあるのだと読みました。これは社会と個人の相互作用という社会学的な切り口にも通じる、社会科学共通の公理を語っているようにも思えます。ただ、経験論はじめ、論敵があまりにも単純化されて批判されており、本書がポパーが次々と論敵を屈服させる物語のように感じられ、その点、ポパーの精神に反するような気がしました。2018/04/09

home alone

3
ポパーについて盛りだくさん。有名な反証主義、反ヒストリシズム。ポパーは批判哲学者っぽいなと感じた。だから、こういうのが正しいんだっていう説を唱えたりするタイプじゃないのかな。(原著読んでないから良く分からんけど)ポパーが作ったモデルみたいなのは出てくるけど。だから現代の相対主義っぽい感じがした。だけど自分的には独断的に論証してくれる哲学の方が楽しい2012/08/10

ぽてと

2
アドルノやウィトゲンシュタインへの痛烈な批判にも見られるように、著者のポパー愛が伝わってくる本。一見関係なさそうに見える彼の科学哲学上の功績と社会哲学がどう連結されるのかがよく理解できる。ポパーの批判的合理主義は様々なこと、生き方にも応用できると思わされた良書。ただ、ウィトゲンシュタインとシュリックやカルナップのようなウィーン学団の哲学者を混同し、全否定しているようにさえ見えるのは残念としか言いようがない。別にウィトゲンシュタインは形而上学や宗教が無価値であるとは主張していないし、その逆でさえあるのに。2016/02/24

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