出版社内容情報
常に現代をみすえた文学作品を世に問い、戦後の新世代文学の旗手として発言を続ける大江健三郎の文学を解明。マサオ・ミヨシの書き下ろしエッセイをはじめ、丸谷才一らの作家論、加賀乙彦らの作品論を収録。
小説を今書くこと…マサオ・ミヨシ/無力感について…三浦雅士/最近の大江健三郎…安部公房/新しい作家達…江藤 淳/他
内容説明
東大在学中「奇妙な仕事」でデビュー、常に時代の課題と直面し、文学的前衛として新たな領域を拓く大江健三郎。四国の深い〈森のフシギ〉から発光する宇宙的想像力の翼を駆って織りなされる死と再生の〈神曲〉の世界。
目次
大江健三郎アルバム
小説を今書くこと―大江健三郎の軌道
作家論(現代文学における「性の追求」;眼の背後の暗闇;深い竪穴の世界;大江健三郎における性の意味;無力感について―大江健三郎と現代;最近の大江健三 ほか)
ひと(大江健三郎氏のこと;語りつくせぬもの;河馬 ほか)
生原稿で作品を読む 『懐かしい年への手紙』最終章
文芸時評の評価
作家に聞く 対談・私の文学(大江健三郎;秋山駿)
作品論(大江健三郎著「われらの時代」;叙事詩の構想による人間把握―『万延元年のフットボール』;小説の時空―『ピンチランナー調書』;『懐かしい年への手紙』;「悲しみは物みなを親密にする」―『人生の親戚』を読む ほか)
文学紀行
出発点として(十年の歳月;新しい作家達 ほか)
さまざまの照明(「雨の木」の下で―大江健三郎;欄外の私的な註若干―大江健三郎「万延元年のフットボール」 ほか)
大江健三郎の作品
代表作ガイド
大江健三郎年譜