出版社内容情報
遊び、笑い、食などに粋をつくした江戸庶民の分化を、原文で味わう。
江戸時代中期以降に花開いた庶民の文化゛戯作(げさく)″。それは、日本文学史の流れの中では教養主義的な゛雅″の文学に対して、いわば ゛俗″の文学とも呼ばれる性格のものであった。封建主義の閉塞状況の中で、゛うがち″の手法をとりいれて、既製の権威を徹底的に笑いのめすその姿勢は、一方で、川柳・狂歌を生み、もう一方で、黄表紙や、本書の洒落本・滑稽本・人情本を生みだした。収録作は、洒落本では「跖婦人伝」「遊子方言」「甲駅新話」「古契三娼」「傾城買四十八手」「繁千話」「傾城買二筋道」、滑稽本では「酩酊気質」「浮世床」、人情本では「春告鳥」を収録。山東京伝、式亭三馬、為永春水らの傑作が、江戸の市井に生きる庶民の笑い、涙、恋愛を生き生きと描きだしてくれる。
中野 三敏[ナカノ ミツトシ]
著・文・その他
神保 五彌[ジンボウ カズヤ]
著・文・その他
前田 愛[マエダ アイ]
著・文・その他
内容説明
江戸時代中期、戯作とよばれる文学活動が江戸の地に根をおろし広がっていく。京伝・三馬・春水などが、既成の権威を笑いのめし、遊びの境地を徹底して楽しんだ。「角屋敷竟には野暮の手へ渡り」身代をつぶすまで遊ぶのが江戸ッ子の見え。町人文化最盛期の傑作集。
目次
洒落本(跖婦人伝;遊子方言;甲駅新話 ほか)
滑稽本(酩酊気質;浮世床)
人情本(春告鳥)