内容説明
小児マヒ、成績ビリ、予算なし…。逆境に次ぐ逆境を、卓越した創造力と行動力、そしてユーモアで乗り越えた、ノーベル賞先生の豪快・痛快、おもしろ人生術。伝説の東京大学卒業式の祝辞&卒業時の成績表も収録。
目次
はじめに―受賞の夜に
第1章 なぜか物理の道へ
第2章 成績どん底の大学時代
第3章 夢のアメリカ行き
第4章 カミオカンデへの道
第5章 十七万光年の彼方からの贈り物
第6章 日本人よ、胸を張れ!
著者等紹介
小柴昌俊[コシバマサトシ]
1926年、愛知県生まれ。51年、東京大学理学部物理学科卒業、55年、米国ロチェスター大学大学院修了。70年、東京大学理学部教授に就任。87年の定年退官後、東京大学名誉教授となる。カミオカンデに代表される宇宙線実験や世界最高エネルギーの電子・陽電子衝突型加速器を用いた実験を行ない、素粒子物理学において常に世界の最先端を歩み続け、2002年ノーベル物理学賞を受賞。ドイツ大功労十字章、仁科記念賞、朝日賞、日本学士院賞、文化勲章、ウルフ賞なども受賞している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コダマ
15
理屈のところはすっ飛ばしで読んでしまったので、大事だなと感じることを抜粋。「屈辱をバネにする」「勉強は集中できる環境をつくる」「金がないなら知恵を絞る」「先生が好きで、勉強が好きになる」「他人がおかしいと言うことを始めから鵜呑みにして諦めるようでは実験屋とは言えない」「マスターや学部せいでも本気この分野の研究をやりたいと思えるようなことがないとダメだと思ったんです」「やれば、できる」
ハチ
5
かなり久しぶりの再読。胸アツ。畑や時代が違うけれども、自然科学の基礎研究に従事する情熱を爆発させていて元気が出る。豪快さ、慎重さ。努力、感謝。小柴さんの人間の力を見せ付けられた!また明日も頑張ろう。2018/03/20
Humbaba
4
ノーベル賞を取るほどの科学者であっても,我々と同じ人間であることに変わりはない.子供の頃から超人であったということは全くない.努力と,そして周囲の人間とうまくやっていったからこそ素晴らしい成果を挙げられた.2012/12/25
貧家ピー
3
表紙の写真もそうだが、いつもニコニコ、本書の内容も実に明るい。苦労もされただろうが、さらっと書いてあるのみ。若い人に夢をもってもらいたい、実験を熱中してやらせたい、という意気込みが感じられた。 2007/01/18
たこらった
2
日米関係なく、自信のある先生は発言の内容にちゃんと反応してくれるものだと思いたい。生意気だ、などと口走るのは大抵はお荷物さんたち。普段相手にされていないものだから自爆的な自己愛に溺れて「わたしに敬意を払いなさい」と自分で言ってしまうのだ。こういう人たちがのさばっている組織は悲惨である。自分も含めた適材適所を可能にするのは澄んだ情感を具えた合理性。小柴先生は良い親方だったんだろうなあ。だた、お弟子さんたちの早世が気になる。折戸周治、須田英博のほか、立花隆もその死を惜しんだ戸塚洋二は2008年に66歳で逝去。2024/03/10